地元の出版社がある幸福や安心感は、崙が消えて初めて分かった。
11月12日の朝、朝刊を開いたら、ちば版のページに「ひとりの出版社 世界を変えたくて」と見出しが目に飛び込んできて
堀郁夫さんという若手の編集者が流山で出版社を立ち上げたという記事を発見した。
郷土出版の崙書房出版が消えて4年あまり、地元の本屋や古本屋も次々に閉店している。
コロナ禍が始まってからは、東京に行くのが億劫になり、サラリーマンを卒業して定期券もないので、池袋ジュンク堂通うこともなくなった。
そうだ!応援する会メンバーとして経営会議にも参加していた那須ブックセンターも2021年末に閉店したんだった。
ぼくが那須から引き上げたのは、それも大きな理由のひとつ。
先日、参加した東葛出版懇話会では、暗い話題ばかりで、ため息をつく老人の会といった雰囲気が漂う。
こうして、ぼくの回りの本を取り巻く状況は、寂しくなるばかりだ。
そんな状況だっただけに、流山おおたかの森で図書出版みぎわさんが開業したというニュースに心躍った。
記事によれば、今後は千葉や流山に関する本の出版も計画するという。
試しに、3冊ネット上のみぎわ書店から購入したら、「こんな本が作りたい!」リストがあって、僕の好きな本も2冊選ばれている。
そして、本の装丁のセンスがいいことに驚いた。
平野甲賀が大好きで、大枚をはたいて彼が開発したコウガグロテスクまで購入したくらい、ぼくは装丁にこだわりが強いのだ。
ぼくの私設図書館本とカタツムリでは、これから図書出版みぎわさんの本はすべて、読めるように揃えてゆきたい。
自分なりに応援はしていたけれど、ぼくたち読者(著者でもある)が崙書房出版を守りきれなかったことを、いまも後悔している。
地元の出版社がある幸福や安心感は、崙が消えて初めて分かった。
だからこそ、今度は後悔しないように、みぎわさんを応援してゆきたい。
今日はロックロックした曲が聴きたいので、だいぶ古いけど、ザ・ローリング・ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」
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