ちば文化資産の追加選定に「流鉄の景観」が選ばれました。(その2)
6月下旬、たまたま、流鉄沿線風景を調べるために、流山駅を訪れたところ、隣接した場所にmachiminという空間がありました。
2018年に出来た当初、中をのぞいたことはあるのですが、何人かの若いお母さんと子どもがいて、ぼくのようなオヤジが立ち入ってはいけない場所のように感じて、すぐに立ち去ったような記憶がありました。
今回は取材モードで訪れるので、遠慮せずに、店番をしている女性に声をかけました。
その方は、佐藤恵美さんといって、「散歩の達人」4月号でも紹介されていた「本みりん研究所」の調理担当の方でした。
最近、みりんについて調べていて、その雑誌も読んでいたので、いろいろと話も弾み、ぼくの頭の中で、machiminを運営するWaCreationや代表の手塚純子さんが紹介されていた大西康之『流山がすごい』に繋がってゆきました。
そして、手塚純子さんの著書『もしわたしが「株式会社流山市」の人事部長だったら』を買って帰り、読んでいるうちに、気がついたのです。
流鉄に不足していた
③新たな視点を加えたものか⑤保存・継承する取組がされているか⑥見聞・体験できる機会が確保されているか
は、machiminの登場によって格段にパワーアップしたことを。
machiminに行けば北野道彦『総武流山電鉄の話 「町民鉄道」の60年』が読めます。
大きな半円形の窓から車庫で待機している電車を間近に見ることが出来て、洗車する様子まで見られます。
ふつう、電車はブラックボックス化していて、運行していない時の電車をみることは難しいですよね
もちろん、オリジナルの流鉄ノベルティグッズだって、買えます。
そして、景観という点なら、アーティストインレジデンスと言って、英国のアーティストクレア・ウォーレスさんが流山にホームステイして描いた「約100メートルの流鉄壁画」は、流鉄周辺の新風景と言えます。
ちなみに千葉県のウェブサイトに載っていた「流鉄の景観」のキャプションは以下の通りです。
流鉄は白みりんの醸造などで栄えた流山本町とJR常磐線の馬橋駅を繋ぐ5.7kmの鉄道です。大正2年(1913年)に流山の商人らが中心となって発起し、住民等が出資して出来た鉄道です。単線を2両編成の電車が走行する沿線は、昔は雑木林や農地が広がっていましたが、現在は宅地化が進みました。
これは、どう読んでも、沿線の景観を評価したとは思えないでしょう。
選考して選ばれた「銚子電鉄」「いすみ鉄道」「小湊鐵道」はマスメディアにもしばしば取り上げられるほど、
③新たな視点を加えたものか⑤保存・継承する取組がされているか⑥見聞・体験できる機会が確保されているか
の三点について、さまざまな取り組みを行っていることは、ご存知の方も多いと思います。
今回、ちば文化資産に選ばれたことで、「流鉄の景観」を存続させることは、周辺住民のミッションになったような気がします。
ぼくは以前に、流鉄の沿線をレポートした本を執筆したことがあります。
個人的にも、これからやるべき、たくさんの仕事を見つけてしまいました。
ひとつずつ、地に足をつけて、取り組んでゆきたいと思います。
本日のミュージックはトム・ウェイツの"ol'55"です。イーグルスもカバーした名曲だけど、聞き比べるとやっぱりオリジナルの出来がすさまじい。もし、居酒屋で飲んで、酔っ払って流山駅のホームで電車を待っている時に、この曲が流れたら、不覚にも泣いてしまうかもしれないな。
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