1ケース分のワインを飲んでも、私は一人で立っていると言い放つ絵描きの女性が、かっこよくて、まるで映画の1シーンを見ているような爽快感があります。
最近、寺尾紗穂という若手のシンガーソングライターを知って、その才能に舌を巻き、ブログで紹介したくなりました。
すでに結構な数のアルバムを発表しているのに、今まで全く知りませんでした。
文筆家としても活躍する彼女の作る歌詞も素晴らしくて、はっぴいえんどの歌詞のように、ずしんと心の奥に響いて、いつまでも記憶に残ります。
その中でも白眉は、この曲。
「オレって北極星みたいじゃね?」などとほざくナルシストな彼氏に向かって、「バッカみたい。あたしはバーにいるから」と言い放ち、そのバーカウンターで故郷の地図と彼氏の似顔絵を、コースターの裏側に落書きする。ジョニ・ミッチェルの歌には、何気ない言葉やどうでもいいような行動の下にも、ワインのように濃く赤い人間の血が流れていることを教えてくれます。作品の形態はまったく違いますが、向田邦子の描く世界に近い。
ハチさんという人のブログ無人島258日目 に載っていた解説がおもしろかったので、転載しちゃいました。
1ケース分のワインを飲んでも、私は一人で立っていると言い放つ絵描きの女性が、かっこよくて、まるで映画の1シーンを見ているような爽快感があります。
ハチさんの解説を読んだら、すごく久しぶりに向田邦子を読みたくなってしまいました。
楽しみの為の読書って、普段ほとんどしませんが、永井荷風と岡本綺堂と向田邦子の小説はいいなあ。
いまやっている仕事が終わったら、向田邦子ですね。
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