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2016年8月21日 (日)

西洋人は、日本が平和のおだやかな技芸に耽っていたとき、日本を野蛮国とみなしていたものである。だが、日本が満州の戦場で大殺戮を犯しはじめて以来、文明国とよんでいる。 天心が亡くなって100年、そろそろ、目覚めないと、天心に叱られるぜ。

「あのね、寅さんが日本人にしかわからないとか、その心情が日本的だとか思うのは日本人だけだからね」
今朝の朝日新聞のコラム「日曜に想う」にこんな言葉が載っている。
フランス人の日本美術史研究家クリストフ・マルケさんの言葉だという。

近頃流行の日本礼讃とは全く方向の違う、奥深い言葉に心を打たれた。

昨日、1年ぶりに菅付雅信さんの『物欲なき世界』(平凡社、2015)を読みかえした。
「懐かしき未來」を作り始めたころに読んだ本だ。

先進国の中でもっとも早く資本主義の限界に突き当たって、しかも、唯一の被爆国で、なおかつ福島の原発事故を体験した日本は、資本主義とは異なる21世紀の新しい定常型社会を作ってゆく上で、世界をリードする立場にいるのに、古くさいマインドセットにとらわれているから、それに気づかない。

茨木のり子が言ったように

それぞれの硬直した政府なんか置き去りにして
一人と一人のつきあいが
小さなつむじ風となって

新しい定常型社会を作る「一人」の事例を見つけたくて、「懐かしき未來」を作る活動を始めたのだと、改めて気づかされた。

そして、ぼくは菅付雅信さんが書いたことの、その先に行ってみたいと思う。
それはいま作っているきものに代表される日本文化のコト。

「フイナム アンプラグド01」という雑誌が手元にあって、Magazine for the Hip とあるから、ヒップなライフスタイルマガジンという訳で、装幀もセンスいいし、よく出来た雑誌なんだけど、アメリカ発の消費文化から一歩も踏み出していないから、何も心に残らず、読み飛ばしてしまう。

2年前にこのブログでも紹介した佐久間裕美子『ヒップな生活革命』は、アメリカの新しい潮流を捉えた、しっかりした本で、なかなか読ませるのだが、読んだ当時とちょっと違う感想がある。

黒船以来のアメリカ文化と日本文化の関係は、ぼくたちが思いこんでいるほど、一方的なものじゃなくて、双方向で影響を与えあっていて、それが特に、Hip なんて領域になると、もしかすると日本の方が世界をリードする立場なんじゃないか、ということ。

そして、死の商人やハゲタカファンドのような守銭奴だけがアメリカ人じゃなく、ラジカルなユニテリアンのエマソンやソーローやその末裔たちが作っているアメリカもあるってことを、今のような時代だからこそ、強く意識する必要があるんじゃないかな。

上記のエントリに書いた『グレイト・ウェイブ』の主人公は、岡倉天心だ。
そして当時、西洋文化礼讃の時代に、東洋の理想を説き、時代遅れと笑われ、排斥されて、自然と戯れ、一人淋しく亡くなった天心の先見性に思いをはせる。

『茶の本』にこんな印象的な一文がある。

西洋人は、日本が平和のおだやかな技芸に耽っていたとき、日本を野蛮国とみなしていたものである。だが、日本が満州の戦場で大殺戮を犯しはじめて以来、文明国とよんでいる。

天心が亡くなって100年、そろそろ、目覚めないと、天心に叱られるぜ。

わずか45年前まで日本語でロックを歌うと笑われた時代があったことを知らない若い人たちに、捧げます。

はっぴいえんど「抱きしめたい」

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