所属する団体と仲間たちのリンク

無料ブログはココログ
フォト

« 那須エリアで菊地厚子さんという女性が始めた活動、きものライフを楽しみながら学ぶ「那須きものスタイル」主催の「おしゃらくきものまつり」に参加して最初に感じたことは、やっぱり、辺境から古くて新しい文化が立ち上がるんだっていうこと | トップページ | 『不思議の国のアリス』に、ハートの女王率いるトランプの兵隊が出てくる。 仕事で出会う人やプライベートで知り合う人、普段接触する人たちが、この30年くらいの間に、どんどんトランプの兵隊になっている感覚がある。 »

2016年4月 3日 (日)

盃に泥な落しそ群燕  芭蕉 この句を見て、昭和45年まで毎年、江戸時代末期に建てられたぼくの生家で、玄関を入った土間の上の梁に、燕が巣を作って、家の中を飛び回っていた光景が、頭に浮かんだ。

4月になって会社も新年度に入り、真新しいスーツを着た新卒の社員が現れる時期だ。
自分も30余年前に、新卒だった時期を思い出す。
すると、4月の第1週は肌寒いので、スーツの上に、学生時代に着ていたカジュアルなコートを着て、決まり悪い思いをした記憶が蘇った。
ところが不思議と、毎年第2週あたりから、急に春めいてきて、一気にコートが邪魔になる。

そこで、高月美樹さんの『和暦日々是好日』を繙くと、4月6日まではまだ、旧暦の如月(二月)だとわかる。
やはり、むかしの暦はよく出来ているなあと感心してしまう。
4月4日(月)から第十三候で「南から燕が到着する」とある。

     盃に泥な落しそ群燕  芭蕉

この句を見て、昭和45年まで毎年、江戸時代末期に建てられた茨城の生家で、玄関を入った土間の上の梁に燕が巣を作って、家の中を飛び回っていた光景が頭に浮かんだ。

もしかすると、お酒が大好きだった祖父の盃にも、泥が入ったかもしれない。
江戸時代初期に芭蕉が見た風景と、それほど変わらぬ風景がそこには存在していた。
だから、当時小学生だったぼくにとって、江戸時代はそんなに遠い記憶ではなかった。
そして、祖父や祖母の思いをかき消すかのように、昭和45年にあの家が壊された途端、燕と一緒に、様々な記憶も消滅したように思える。

いまならまだ、祖父を通じて感じた江戸の文化を、後世の子どもたちに語り継いでいけるかと思ったのも、「懐かしき未来」というZINEを作り始めた理由の一つだ。

田中優子さんの『鄙への想い』を読んでインスパイアされ、サティッシュ・クマールというインド出身の思想家について、調べていたら、こんな素敵な言葉を発見した。
サティッシュさんが大きな影響をうけたお母さんの言葉で、ミシンを購入を断った時の言葉だそうである。

「お母さんはね、針を動かしているときほど心が安まる時間はないの。でも機械に急かされるようになったらおしまい。それに、機械があれば時間が減るなんていうのは嘘だと思う。年に一枚か二枚のショールでよかったのに、ミシンがあったら10枚のショールをつくることになって、結局はあくせく働くことになる。そうすれば、前よりずっと多くの布が必要になってしまうわね。

時間を節約したとしても余った時間で何をするというの?仕事の喜びは私の宝物みたいなものなのよ」

仕事の喜びこそが人生の宝物 ─ そう思って働いている人のことを、本当のアーティストというのだろう。何も、絵を描いたり、彫刻を彫るだけがアーティストではないのだ。時間がかかることを厭わず、仕事のプロセスそのものに充足感を見出すこと。そこに「アート」の本質があるのだということを、サティッシュは母親から学んだ。

辻信一『英国シューマッハー校サティッシュ先生の最高の人生をつくる授業』

1900年生まれのサティッシュ先生のお母さんと、ほぼ同世代の1903年生まれの祖母に、僕が同じ問いかけをしたら、きっと同じような答えが返ってきたと思う。

暦の話から、どんどん連想がふくらんで、とりとめのない話になってしまった。

さらに、震災と引っ越し以来、ぐちゃぐちゃになったまま、本棚のどこかに埋もれている今和次郎『日本の民家』を探して、読みたくなった。

それはさておき、小学生の頃、映画音楽でも聴いたショパンの「ノクターン第2番」をフジ子・ヘミングで。


« 那須エリアで菊地厚子さんという女性が始めた活動、きものライフを楽しみながら学ぶ「那須きものスタイル」主催の「おしゃらくきものまつり」に参加して最初に感じたことは、やっぱり、辺境から古くて新しい文化が立ち上がるんだっていうこと | トップページ | 『不思議の国のアリス』に、ハートの女王率いるトランプの兵隊が出てくる。 仕事で出会う人やプライベートで知り合う人、普段接触する人たちが、この30年くらいの間に、どんどんトランプの兵隊になっている感覚がある。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 那須エリアで菊地厚子さんという女性が始めた活動、きものライフを楽しみながら学ぶ「那須きものスタイル」主催の「おしゃらくきものまつり」に参加して最初に感じたことは、やっぱり、辺境から古くて新しい文化が立ち上がるんだっていうこと | トップページ | 『不思議の国のアリス』に、ハートの女王率いるトランプの兵隊が出てくる。 仕事で出会う人やプライベートで知り合う人、普段接触する人たちが、この30年くらいの間に、どんどんトランプの兵隊になっている感覚がある。 »

最近のトラックバック

最近の記事

最近のコメント

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30