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2015年7月25日 (土)

結論や持論を押しつけるのではなく、読み手は不断に考えさせられる。大きな思想に「倚りかからず」 自前の思想を保ち続けることを、ぼくたち日本人全員に要求し続けた人生だったのかなと思う。

先日、哲学者の鶴見俊輔さんが亡くなって、いろいろ思い出している。

ベ平連なんぞやっているのはソ連の手先で、書いたモノなど読む価値なしと思っていた、かつてのボクが初めて鶴見さんに接したのは、『限界芸術論』だったような気がする。

ボクが読んだのは、講談社学術文庫のバージョンだったが、一読して心酔したかというと、そんなことはなく、結論がすっきりしない尻切れトンボのような書き方で、さらに続編が出ることをほのめかす、変な本という印象だった。
それでも何か惹かれるものを感じて、何度も読み返すと、次第に「五千年前のアルタミラの壁画以来、落書き、民謡、盆栽、花火、都々逸にいたるまで、暮らしを舞台に人々の心にわき上がり、ほとばしり、形を変えてきた限界芸術」の大きな世界が眼前に広がっていたことに気付いた。

その後、雑誌「思想の科学」を始めとして、沢山の本を読んだが『限界芸術論』は例外として、鶴見さんの本は不思議なことに、読み終えると一旦、すうっと記憶から消えてしまう。
線を引いたり、付箋をつけたりするような、普段の読書習慣にはなじまず、テキトーに読み散らかしたまま、本棚の一番すみっこに押しやられている、そんな印象がある。

けれども、今になって思えば、最初に感じた「すっきりしない」ところが鶴見さんの真骨頂なのだろう。
結論や持論を押しつけるのではなく、読み手は不断に考えさせられる。
大きな思想に「倚りかからず」 自前の思想を保ち続けることを、ぼくたち日本人全員に要求し続けた人生だったのかなと思う。

7,8年前に我孫子で鶴見さんの講演を観たことがある。そこで柳宗悦について語ったことで、印象に残っているのが「卒業しない人」ということ。
戦前、戦中、戦後を通じて、時の権力におもねることなく、自分のスタンスを守り抜いた柳のことを「卒業しない人」と表現しながら、鶴見さんは自分のことを語っていたのだと今になってわかる。

孫崎亨『戦後史の正体』を読むと、終戦後続いたGHQの支配が、どれほど過酷なものだったのかわかる。
そんな状況の中で、ハーバード大学卒業の鶴見さんが、アメリカにおもねることなく、距離を置いて、言論活動することの大変さに思いをはせる。

アベ某のフォロアーは、国会前のデモに参加する人たちを、左翼だの、アルバイトだのと、根拠のないデマを飛ばしているけど、実際にデモに参加すれば、よくわかる。
ベビーカーを押してやって来る若いお母さんのように、普通に生きている市民が国会議事堂の前で声を上げている。

40年前、50年前のデモとは全く違う風景がそこに広がっている。
時代は変わってゆく。

そんな時代の変化の一番奥底には、鶴見さんが求め続けた思いが息づいている。
そんな気がしている。

ニール・ヤング「孤独の旅路」

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