そうやって、お父さんの趣味のDIYじゃなく、暮らし全体にDIYのエッセンスを取り入れてみる。そうすれば、目先の便利さと引き替えに、失ったものが見えてくるかもしれないから。
大型連休の前半はDIY特集という感じで、本日がそのハイライトでした。
友人の建築家星哲郎さんが設計してくれた木製のハシゴを、材料買い出しから始めて、一日がかりで、製作してみた。
図面にはあまり細かい指示が出ていないので、作る手順は自分で考えて、ああでもないこうでもないと、試行錯誤しながらやってみた。
材料は1×4と2×3という規格の材料なので、南流山に最近出来たホームセンター「コーナン」ですべて調達し、さらにワンカット30円という格安のサービスを利用してカットしてもらった。
出来上がってきた材料は、もうプラモデルの材料と同じような感じに仕上がっていた。
これならルーフキャリアの付いていないぼくの車でも、難なく車内に入れられる。
金額的には、材料費と材料カット料金に消費税を足して、2900円位だから、お値打ちだと思う。
メーカーサイドとしては製造物責任が気になるのか、市販の金属製のハシゴは、ごっつくて重すぎるので、置き場所を探すのも一苦労する。
このハシゴは一見華奢に見えるが、図面通りにちゃんと作れば、案外しっかりしているし、スリムなので、室内の置き場所が見つかりやすい。
一般に男性向けのDIY雑誌に載っている作品は、どれも無骨で、「男らしいってこうだろ」と言わんばかりの作品は多くて、ぼくの趣味には合わないものがほとんどだ。
したがって最近は女子のDIYを取り上げた本を購入することも多いのだが、ちんまりしたデザインが、イマイチ残念なモノも多くて、なかなか作ろうというモチベーションがわき上がってこないのです。
それに、本の編集者はDIY愛好家の最終目標を「自前の工房を備えたプロ顔負けの素人」という所に設定しているらしく、野菜を作ったり、料理を作ったり、パソコンを使っていろいろ試したり、木工以外に世界を広げたい自給自足派にとっては、どうも方向性が違うように思えてならないのです。
ボクだって、ベランダの片隅にAmazonで買った携帯型のワークベンチを置いて、電動工具は充電式ドリルくらいで、あとは1000円程度で買える道具を使って、いろいろ作っている訳で、誰でも作れるインフラでしょ。
以前紹介したMakeTの谷尻さんや、今回の星さんのようなクリエータの設計した作品を、ぼくのような熟練度の低い素人が実際に作ってみるのが一番いい。
特に木工だけに限定しているわけじゃないので、レザーや布や紙を使った作品もいいと思う。特に注目しているのは段ボール。
大量消費社会の余剰物の最たる存在で、無料で入手できる優れた素材だと考えています。
高価な工具や、難しい技術は使わないで、誰でも作れるんだけど、素敵なデザインのモノ。
協力してくれるクリエーターにはそのようにお願いするつもりです。
実際に作った作品の中で、気に入ったものは作り方も含めて、紹介していきたい。
それが「青空公房」というコンセプトを作った目的で、青空のようにみんなで価値あるモノや情報を共有するような仕組みが欲しいと思ったのです。
それが20数年前に日経流通新聞でしゃべったことの、自分なりの実現の仕方かなと。
新聞に書いたようなセルフビルドの家作りはハードルが高いかもしれないけど、2900円位の出費なら上手に出来なくても「ま、いっか」で諦めもつくでしょう。
そうやって、お父さんの趣味のDIYじゃなく、暮らし全体にDIYのエッセンスを取り入れてみる。そうすれば、目先の便利さと引き替えに、失ったものが見えてくるかもしれないから。
細野晴臣「恋は桃色」
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