所属する団体と仲間たちのリンク

無料ブログはココログ
フォト

« そして、死の商人やハゲタカファンドのような守銭奴だけがアメリカ人じゃなく、ラジカルなユニテリアンのエマソンやソーローやその末裔たちが作っているアメリカもあるってことを、今のような時代だからこそ、強く意識する必要があるんじゃないかな。 | トップページ | ほんの数年前まで停滞したイメージのあった松戸が寺井元一さんという一人の若者の出現で、どんどん変貌しているのは面白いけど、彼を見ていて、町と関わってうまくいかないことを人のせいにしてはいけないと、少し反省。 »

2015年1月31日 (土)

21世紀は信じられないほど地価の高い東京都心から少し離れた場所に、最先端文化の中心が移ってゆく、そんな気がしてならない。

今週は月曜日からずっと田中康夫『33年後の何となくクリスタル』(いまクリ)を読み耽っている。
日本文学研究者のロバート・キャンベルが「もとクリ」と名付けた33年前の『何となくクリスタル』に比べて、ものすごく重い。

33年間の著者の人生の重みが、見事に作品に投影されていて、重いけれども、深くて美しい。
偉い先生から牽強付会だって怒られるかもしれないが、永井荷風がちょうど今の田中康夫と同じ57~58歳で発表した『濹東綺譚』を読んだときの感覚に似ている。

「いまクリ」の末尾にある膨大な註は、『濹東綺譚』の「作後贅言」と同様、註の役割を超えて、作品そのものを構成する重要な要素。

作者の分身(いまクリではヤスオ、荷風は小説家・大江匡)が、謎めいたミューズに翻弄されるところまで、よく似ていて、荷風好きのぼくにとっては、「いまクリ」と、これから長いつきあいになる予感がある。

という感じで、今週は頭が「何クリ」になっているので、金曜日に都心に出たついでに、作品の舞台にもなっている神宮前から渋谷辺りをウロウロしてみた。
雪がちらついて、人通りもまばらな、朝の明治通りを歩くと、著名デザイナーの洋服屋や外資の食べ物屋が目立つ。

「元クリ」が出た頃、この辺りは最先端文化の発信地で、日本のどこにもない垢抜けた雰囲気があった。
いまはどうなんだろうな。いろいろ考えながら歩いているうちに、渋谷・原宿・六本木・青山・代官山界隈がかっこいいと信じ込んでる感性の方が、かっこ悪いように思えてきた。
さらに、東京オリンピックの当時、原宿から渋谷まで電車で走ると、競技場以外は空き地の目立つ、山手線沿線でも一番都市開発が遅れている、空き地の目立つだった記憶が蘇ってきた。この町は、新宿の近所で、原っぱが多いから「原宿」と名付けたのだろうと、子供心に納得した記憶がある。

そんな鄙びた町に注目して、若いクリエーターたちがセントラルアパートのような場所に集まった1960年代~70年代、この辺りはピカピカに輝いていたはず。その輝きの中で「元クリ」の登場人物たちも躍動していた。
古くはニューヨークのソーホー地区、最近ではポートランドのように、自立したクリエーターが、自分たちで町の魅力を掘り起こして、新しい価値を付与してゆく。そして、不断に活動してゆく。だからかっこいい。
オリンピックの時代から50年経過し、すっかりブランド化した町に、お金持ちの企業が店を出している風景を見ても何も感じない。

ちょっと高級なSCを歩いているような気分。

全然面白くない。

21世紀は信じられないほど地価の高い東京都心から少し離れた場所に、最先端文化の中心が移ってゆく、そんな気がしてならない。

ボブ・ディラン「時代は変わる」

« そして、死の商人やハゲタカファンドのような守銭奴だけがアメリカ人じゃなく、ラジカルなユニテリアンのエマソンやソーローやその末裔たちが作っているアメリカもあるってことを、今のような時代だからこそ、強く意識する必要があるんじゃないかな。 | トップページ | ほんの数年前まで停滞したイメージのあった松戸が寺井元一さんという一人の若者の出現で、どんどん変貌しているのは面白いけど、彼を見ていて、町と関わってうまくいかないことを人のせいにしてはいけないと、少し反省。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1353509/58767132

この記事へのトラックバック一覧です: 21世紀は信じられないほど地価の高い東京都心から少し離れた場所に、最先端文化の中心が移ってゆく、そんな気がしてならない。:

« そして、死の商人やハゲタカファンドのような守銭奴だけがアメリカ人じゃなく、ラジカルなユニテリアンのエマソンやソーローやその末裔たちが作っているアメリカもあるってことを、今のような時代だからこそ、強く意識する必要があるんじゃないかな。 | トップページ | ほんの数年前まで停滞したイメージのあった松戸が寺井元一さんという一人の若者の出現で、どんどん変貌しているのは面白いけど、彼を見ていて、町と関わってうまくいかないことを人のせいにしてはいけないと、少し反省。 »

最近のトラックバック

最近の記事

最近のコメント

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31