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2014年5月 3日 (土)

どうです。無粋な建物が視野に入らない。まるで理想郷だと思いませんか。 実際に歩いてみて、実感しました。 数多く旅はしたものの、芋銭が終生この場所を離れなかった理由がわかるでしょ。

きのう、夜の会合で土浦に向かうついでに、途中下車して牛久に寄った。
水戸の提灯屋さんも見に行きたかったけど、時間の都合で牛久にした。
牛久には牛久沼があって、かつて沼のほとりには小川芋銭が住んでいた。
芋銭が最晩年使った住まい兼アトリエ「雲魚亭」が小川芋銭記念館として公開されている。
ただ、屋内見学は土日と祭日だけなので、おそらく普段は誰もいないだろうと考え、少し離れた丘の上にある小川芋銭研究センターに電話した。

すると、学芸員が説明して下さるというので、急いで訪問した。
学芸員の北畠健さんは、温厚で涼やかなお人柄。
名刺も忘れて携えず、初対面のどこの馬の骨かわからない者に、真摯に対応して下さり、恐縮してしまった。
北畠さんの話を少し聞いていただけでも、目から鱗が2,3枚、ハラハラと落ちた。
ネットでちょっと調べると、北畠さんのプロフィールが常陽リビングのサイトで紹介されていた。

無欲の芋銭に教わった人生の指針 小川芋銭研究センター学芸員 北畠健さん

目から鱗が落ちたその話の中身は、ぼくの下手な紹介より、上記サイトの文章で読んで下さい。
永井荷風に『江戸芸術論』という評論がある。
荷風と芋銭、特に面識はないと思うが、明治から大正時代に活躍した知識人として、幕府の瓦解と共に運命が変わった武家の子孫として、多くの共通項があると感じた。

江戸芸術や俳諧への興味、古典や漢籍に関する該博な知識、そして、『職工事情』や『女工哀史』に描かれたような明治期の初期資本主義に疑問を感じ、社会主義運動への仄かな共感と、大逆事件で受けた衝撃の大きさなどなど。

そして、江戸期以来の複合芸術である俳画の大家芋銭と同じように、荷風も自作の俳句に、お得意の写真を配して、今でいうフォト俳句のような作品を数多く残している。

ぼくが好きなのはこの本。『おもかげ』。復刻版の装丁が美しい。

小川芋銭研究センター

周辺の案内図をコピーしていただき、研究センターを辞して、記念館に向かう。

しばらく歩くと、大手門跡の看板を発見した。

この辺りは城中町という地名で、実は中世の巨城だったという。

Img_2413Img_2415

得月院に芋銭の墓があると教えていただいたので、墓参り。

Img_2417Img_2424

細い路地を縫うように進んで牛久沼に向かうと、沼の見える高台に「雲魚亭」があった。

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どうしても沼を近くで見たくなり、坂を下りて歩く。

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さらに、水辺に近づいてゆく。

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振り向けば、こんな景色がある。

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どうです。無粋な建物が視野に入らない。まるで理想郷だと思いませんか。

実際に歩いてみて、実感しました。

数多く旅はしたものの、芋銭が終生この場所を離れなかった理由がわかるでしょ。

Img_2453

最後はカッパが見送ってくれた。

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芋銭も歩いたであろう古い道を辿って、牛久駅に向かった。

理想郷から、急に現実に引き戻されたような不思議な気分を抱えながら。

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