交流している団体のリンク

  • 流山市立博物館友の会
    ブログ主が所属する千葉県東葛飾地域で活動する文化団体。発足から50年近く郷土史の掘り起こしを中心に、様々な活動を展開している。
  • ダムダン空間工作所
    建築家石山修武氏が創設した建築設計事務所。那須のセルフビルドでは多大なご支援をいただきました。
  • 開拓工務店
    自宅のリフォームでDIY作業に協力してくれました。カナダで修行してきた棟梁のユニークな感性が光ります。
無料ブログはココログ
フォト

« 東京のソバ屋はもちろん昼酒を飲める町のオアシスだけど、ぼくがたまに行く御徒町ガード下の「味の笛」って立ち飲み店じゃ、午後3時の開店と同時に満員になる。 | トップページ | 自分には外来のエコロジー思想や持続可能な○○なんて言葉より、芋銭の河童の方がピンとくるのだ。 »

2014年4月14日 (月)

思えば、今から9年前に大塚で「江戸を楽しむ会」を作ったけど、力不足で自然消滅してしまったから、出直しの意味もあるなあ。

休日に、いざ、本棚の整理をと、意気込んで始めた途端、腰がぴきっとなって、体が固まってしまった。
ううう、10年以上腰痛と無縁だったのに、悔しい。
仕方なく、仕事を休んで、家でゴロゴロ、日がな一日向上心のない時間を過ごす。
幸い、俗事に惑わされず、時間を使えるから、こんな時は、ずばり江戸趣味でいきたい。

昨日に引き続き平賀源内で、本日は「萎陰隠逸伝」(なえまらいんいつでんと読む。萎にはやまいだれが付く)を読む。

もったいぶったタイトルに見えるが、内容はちょーくだらねえの。

だって、「なえまら翁の一生」だよ。

現代語訳の一部を紹介しよう。

いかなる詩人だって、偉人だって、その功のかなうかなわぬと関係なく、男の果てはみなインポなりで、いつかはなえるのだ(野坂昭如訳)

眠れば夢に遊び、醒めては世知辛い現実に嘆息を繰り返し、にこにこ食べては、しかめ面で排便し、たまの夜には一瞬のはかない快楽を味わい、そんなこんなで、ふと死ぬるその日まで、お目出度くも生きているよ。(杉浦日向子訳)

こんな源内の世界観、人生観が、日向子さんに流れ込んで、珠玉のエッセイになった。

オリジナルは、ちくま日本文学全集の「岡本綺堂」の解説だが、死後まとめられたエッセイ集『うつくしく、やさしく、おろかなり』の表題作として収められた。

このエッセイを読むたびに、難病で死を身近に感じていた当時30代の彼女の気持ちに思いをはせ、心が震える。

なんのために生まれて来たのだろう。そんなことを詮索するほど人間はえらくない。

三百年も生きれば、すこしはものが解ってくるのだろうけれど、解らせると都合が悪いのか、天命は、百年を越えぬよう設定されているらしい。なんのためでもいい。とりあえず生まれて来たから、いまの生があり、そのうちの死がある。それだけのことだ。綺堂の江戸を読むと、いつもそう思う。

うつくしく、やさしく、おろかなり。そんな時代がかつてあり、人々がいた。そう昔のことではない。わたしたちの記憶の底に、いまも睡っている。

「うつくしく、やさしく、おろかなり。」という言葉を思い出す度に、佐賀純一さんの『霞ヶ浦風土記』や『田舎町の肖像』の中で、自分の生きてきた体験を語る茨城の明治人たちを想う。

あるいは金子光晴の『日本人の悲劇』の中で、明治になっても江戸を引きずり生きていた人々を想う。

さらに、永井荷風『すみだ川』の主人公長吉の叔父俳諧師松風庵蘿月が印象深く、思い出される。

明治人の父祖達を身近に育ち、オリンピック準備のために、町並みや暮らしのスタイルが失われる前の東京を記憶しているのは、日向子さんやぼくの世代が最後だろう。

この秋から、土浦という微かに江戸の香りを伝える町で、仲間を集めて、明治を、大正を、そして地続きの江戸人の暮らし方を楽しみながら学んでみようと準備している。

思えば、今から9年前に大塚で「江戸を楽しむ会」を作ったけど、力不足で自然消滅してしまったから、出直しの意味もあるなあ。

150年前の江戸を振り返ってみることによって、80数年後に来るであろう22世紀の未来を想像してみるのもいいかもね。

だから、いまは、久しぶりにワクワクしている。

今宵は荷風が好きだったドビュッシーの「月の光」

« 東京のソバ屋はもちろん昼酒を飲める町のオアシスだけど、ぼくがたまに行く御徒町ガード下の「味の笛」って立ち飲み店じゃ、午後3時の開店と同時に満員になる。 | トップページ | 自分には外来のエコロジー思想や持続可能な○○なんて言葉より、芋銭の河童の方がピンとくるのだ。 »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 東京のソバ屋はもちろん昼酒を飲める町のオアシスだけど、ぼくがたまに行く御徒町ガード下の「味の笛」って立ち飲み店じゃ、午後3時の開店と同時に満員になる。 | トップページ | 自分には外来のエコロジー思想や持続可能な○○なんて言葉より、芋銭の河童の方がピンとくるのだ。 »

最近のトラックバック

最近のコメント

2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31