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2014年4月20日 (日)

自分には外来のエコロジー思想や持続可能な○○なんて言葉より、芋銭の河童の方がピンとくるのだ。

小川芋銭を題材にした小説正津勉の『河童芋銭』を読了。
このところはずっと、小川芋銭のことばかり考えている。
最初に芋銭のことを知ったのは、結構古くて、14,5年前になる。
山口昌男『敗者の精神史』で、田端にいた画家小杉放庵(未醒)と親しい人物としてだった。
小杉放庵と親しいということで、何となく東京で活躍した人物だと思っていたし、牛久と関連があっても、晩年の一時期牛久で暮らしたのかなあ、なんて考えていた。

ところが、茨城県をあちこち歩き回ると、芋銭の足跡に出会うことが多くて、この人が生涯のほとんどを牛久沼のほとりで過ごして、河童の絵を描いた農民芸術家だと知った。

そして、病弱な体で、よく旅をし、にわかには信じられないほど多彩な人的ネットワークを作っていたこともわかった。

『敗者の精神史』からちょっと拾い出してみる。

21歳で浅井忠と一緒に会津磐梯山噴火の取材に参加し、日刊新聞「いはらき」の主筆佐藤秋蘋と田岡嶺雲を知り、幸徳秋水や小杉放庵を紹介され、って書いていると切りがないのだが、茨城県との関わりという意味では、横山大観、野口雨情、山村暮鳥との関係が興味深い。

また、蕪村や一茶など江戸期以来の俳画というジャンルの作者としても注目に値する。

最近、フォト俳句なんていうカメラと俳句を組み合わせたジャンルも人気がある。

絵心がない人でも簡単に、俳画を楽しめるので、面白い。

だけど、何と言っても印象的なのは、芋銭のまなざし。

水辺の生き物たちなど、身近な自然への畏敬の念に溢れている。

自分には外来のエコロジー思想や持続可能な○○なんて言葉より、芋銭の河童の方がピンとくるのだ。

去年の秋、霞ヶ浦のほとりを歩いて、清明川の河口にある水神様にお参りした。

子供の頃、水神様は無数の蛇がいる薮の向こうに隠れていた。

霞ヶ浦の水の神様がいる神聖な場所で立ち入ると、祟りがありそうで、イタズラ盛りの年頃だったけど、近づこうという気にはならなかった。

そんな場所も、今は周囲がコンクリートで固められ、薮も蛇も消えて、強い日差しの下にポツンと建っていて、近くで見るとその小ささに驚いてしまった。

昔に戻ることは出来ないけれど、身近な自然への畏敬の念を少しだけ取り戻すことは、僕たちが暮らして行く上でも、大切なことじゃないかなあって、思う。

そして、ぼくが芋銭の河童から連想したのは、ミス・ポターのピーターラビット。

去年、ブログでこんなことを書いたことがある。

可愛いイラストを描いたポターと、見るからにいかつい熊楠。同じ時代にロンドンで暮らし、キノコなど菌類の研究家、自然保護運動家という共通点のある二人は、その外見的なイメージとは裏腹に案外共通項があるんじゃないかと気づいた。

この時はイギリスに留学した熊楠との共通項に注目したけど、むしろ小川芋銭の方がポターに近い。

しかも、同じように傑出した画家で文人の二人、小川芋銭とビアトリクス・ポターは、生年も没年もほとんど数年の違いしかない、同時代人なのだ。

二人は同じように、水辺の風景や自然を深く観察して、作品に反映させた。

周辺には、芸術家や文人のネットワークが出来て、20世紀前半の興味深い文化運動がそこから生まれた。

ひとつだけ例をあげると、この前紹介した通り、海野弘の『足が未来をつくる』に書いてあったナショナルトラストとそこから派生した「歩く旅」やフットパスづくりの運動があげられる。

りんりんロードのある水郷、常陸野地域にも当てはまるように思う。

例えば土浦から佐原まで約40キロの道のりを、イギリス人のようにフットパスを見つけて歩いたら、最高に気持ちいい「歩く旅」が出来そうだ。

これ以上は詳細になりすぎるので、少しずつ書いてゆこう。

芋銭のことを考えていたら、何故だか矢野顕子が聴きたくなった。

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