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2014年3月29日 (土)

明治生まれの爺さん達が集まった時だけ生まれる空気感がなんともいえず、いつまでも浸っていたかった。

酒を呑みながら読むのに適した本もあるなあって、思うようになった。

もちろん酒も、何でもいいってわけじゃなく、日本酒かワインが最適。

ウィスキーは水割りじゃなく、ロックかストレートで。

ビールはダメ。

呑んだらすぐに、胃や食道から脳に「休め!」って信号が送られるような気がする。

しらふじゃ、味が出ない本もある。

買ってからずっと積ん読だったマイク・モラスキー『呑めば、都』なんか、金曜の夜、自宅で一人呑むときのお供にはぴったり。


やったことないけど、詩集なんかもよさそうだ。

今度、金子光晴でやってみよう。

ぼくが小学生の頃、茨城の生家には、毎日午後三時頃になると、祖父の所に近所の爺さん連中が集まってきて、囲炉裏のある部屋に集まり、祖母が作る簡単なつまみで、酒を飲んでは、清談に耽っていたことを思い出す。

そう言えば、みんな金子光晴と同世代の明治の男たちだった。

普段はいつも不機嫌な表情で、近寄ると怒られそうで、大人になっても恐かった祖父が、気の置けない仲間といるときだけは、満ち足りた表情になるのが嬉しくて、ぼくはこの時とばかり、祖父にくっついて、半分以上分からない話を聞いていた。
一時間半ほど呑むと、さっと消えていった爺さん達の呑みっぷりが、粋でかっこいいと思った。

明治生まれの爺さん達が集まった時だけ生まれる空気感がなんともいえず、いつまでも浸っていたかった。

古い家が壊され、囲炉裏のある部屋も消え、やがて祖父が倒れ、仲間も他界し、そんな至福の時間は、幻になってしまった。

時代は移り、形は違っても、あんな仲間たちと、集まって酒を酌み交わす。

そんな時間を取り戻すことが出来たら、もう何もいらないね。きっと。

ビル・フリゼール「酒とバラの日々」


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