荷風にしろ、ロイド・カーンにしろ、坂口恭平にしろ、自分が自分らしく生きるためには「シェルター」が必要だってことかもね。
ロイド・カーンという人がいる。
1960年代にはケビン・ケリー、スチュアート・ブランドらと『ホール・アース・カタログ』の編集に参加し、シェルターの項を担当していたセルフビルダーにして、編集者。
出版社「シェルター・パブリッシング」のオーナーでもある。
「スペクテイター」という雑誌のバックナンバー2005年春号を買ったら、坂口恭平とのインタビューが載っていた。
面白かったのは彼の言う「シェルター」という言葉には「キャピタリズムから身を守る空間」というニュアンスが込められているということ。
いかにしてキャピタリズムの象徴でもある銀行ローンの呪縛から解放されるかということがテーマのひとつになっていたのは事実だからね。ただお金を稼ぐために働く一生よりも、自分自身のための独立した生き方の重要性を伝えていきたかったんだ。
永井荷風の「偏奇館」は近代の侵入を防ぐシェルターだったと言われる。
荷風の死から50年後、ロイド・カーンの「シェルター」はキャピタリズムの侵入を防ぐ空間でもあるって、とても面白い。だけど切ない。
荷風にしろ、ロイド・カーンにしろ、坂口恭平にしろ、自分が自分らしく生きるためには「シェルター」が必要だってことかもね。
そう思ったら、ストーンズのこの曲が聴きたくなった。
コンビニに勤めて、深夜勤務していた時、エンドレステープで一晩中聴いたこの曲。
産業界はバブルの最中なのに、深夜から明け方の東京下町のコンビニで、社会の底辺にいるような人たちと出会った。
たぶん、あの人たちをオレは一生忘れないだろう。
特に、アベノミクスとやらで活況を呈する今なら余計にね。
今宵はプレイング・フォー・チェンジのバージョンで「ギミー・シェルター」
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日本の場合、シェルター=小屋。
もし、8畳ぐらいの小屋を建てて、そこに快適に住むことができて
土地も10坪ぐらいでOK。ならば全部で600万円ぐらいでできてしまう。
それを現金払いで支払う。みんなが抱える銀行ローンから開放される。
そんな生活でも満足できるなら是非実行してほしいと思います。
その後人生が2倍もしくは3倍楽しむ事ができると思います。
そんな人が増えると思う今日この頃です。
投稿: denzo | 2013年6月23日 (日) 22時08分
ふと振り返ると、昭和30年代の我が家はそんな感じでした。その代わり、子供の遊び場は家の前の路地だったし、風呂は銭湯だったし、電気冷蔵庫ないけど、魚屋も総菜屋も徒歩1分圏内だった。町を上手に使いこなしていたから出来た暮らし方かもね。でもこれからでもまだ、間に合うと思います。ぼくは今の若者たちに大いに期待してます。
投稿: 逆流亭写楽斎 | 2013年6月24日 (月) 23時56分