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« そんな折に、法政大学の田中優子さんによって、増淵敏之『路地裏が文化を生む!』(青弓社,2012年)という本が朝日新聞書評欄で紹介された。江戸の音曲に造詣の深い田中さんが紹介する路地裏と文化の本。悪かろう筈はないと思って、飛びついたのだが。 | トップページ | 現在の那須町地域には芦野の他に宿場がなく、江戸期には松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場するほど、栄えた町だというが、今も江戸期から続くような、ゆったりとした里山風景が残っている。 »

2013年2月 3日 (日)

ぼくたちは、祈りやアートや詩歌や労働が渾然一体となった前近代社会を未開社会とみなす愚挙をずっとやってきた。為政者と経済界とマスメディアの作ったシナリオによって、江戸時代以降、わずか50年前まで、続いていた暮らしの流儀を捨て去って、さらなる経済成長戦略で国土を荒らされて、ぼくたちはどこへ連れて行かれるのだろう。

このところ経済に関連する本ばかり読んでいる。

ずいぶん長いこと、経済のことを考える気分にならなくて、さぼっていた。

けれども3.11以降起きているいろんな問題は、とどのつまり経済問題へと収斂するように思う。

一月前くらいに読んだ『小商いのすすめ』という本が気に入ったので、おなじ平川克美さんが書いた『移行期的混乱』を読んでみた。

経済学者や専門の学者では書けない本であるがゆえに、大きな網で現在起きている現象を捉えている。

もちろん、網の隙間からこぼれ落ちる現象もあるから、突っ込みどころ満載の本だと思う。

誤植かどうかわかならないけど、明らかな間違い箇所も発見した。

だけどね。細かい間違いはあっても、エッセイとも論文ともつかない不思議な文体だからこそ書ける、大胆な内容こそ大事で、掛け値なしにいい本だと思う。

経済学っていうと、ケインジアンか新自由主義かって、問題設定が、自明の如く立てられてしまう。

ぼくが学生の頃言われた、近代経済学かマルクス経済学かって、設定もいまは昔。

平川さんはマーシャル・サーリンズを引用しているが、他にもポランニーとかイリイチといった無限の成長神話を解体しようとした学者たちの仕事が、いまとても重要になってきたと思う。

中沢新一が敬愛するジョルジュ・バタイユの仕事にも注目している。

ぼくたちは、祈りやアートや詩歌や労働が渾然一体となった前近代社会を未開社会とみなす愚挙をずっとやってきた。為政者と経済界とマスメディアの作ったシナリオによって、江戸時代以降、わずか50年前まで、続いていた暮らしの流儀を捨て去って、さらなる経済成長戦略で国土を荒らされて、ぼくたちはどこへ連れて行かれるのだろう。

その行く先にあるはずの夢や希望がどれほど薄っぺらいものか、わかった時では遅すぎるような気がする。

ぼくの大好きな優しいロック・ミュージシャンのリッチー・フューレイが伝説のバンド・バッファロー・スプリングフィールド時代に作った「カインド・ウーマン」をポコのリユニオンコンサートから貼り付けたい。

いまになって、振り返ると、アメリカのウエストコーストロックの優しさとかふくよかさを象徴するようなこの人が、表舞台から徐々に消えていって、ウエストコーストロックはどんどんつまらなくなっていったような気がする。

« そんな折に、法政大学の田中優子さんによって、増淵敏之『路地裏が文化を生む!』(青弓社,2012年)という本が朝日新聞書評欄で紹介された。江戸の音曲に造詣の深い田中さんが紹介する路地裏と文化の本。悪かろう筈はないと思って、飛びついたのだが。 | トップページ | 現在の那須町地域には芦野の他に宿場がなく、江戸期には松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場するほど、栄えた町だというが、今も江戸期から続くような、ゆったりとした里山風景が残っている。 »

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