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2012年9月

2012年9月30日 (日)

だから、今回は久々にポップな文章に戻してみようと考えた。86歳で亡くなった永遠の文学少女で、恋する乙女だった友人の杉山宮子さんを題材に。楽しくないとね。長続きしないから。

第2号からずっと、寄稿させていただいている「ずいひつ流星」の原稿締め切りが迫ってきたので、構想をまとめている。
たった3ページなのに、というか、3ページだからこそというべきか、短い文章の中で自分が書きたかったことを的確に表現することに、たいへん苦労しながら書いている。
3.11から数回書いているが、ダークな感じの文章ばかり並んでしまった。
あっけらかんとした文章は、もう書けないと思っていた。
けれど、それはちがうかもね。
そろそろポップで、カラフルな感じの文章がいいなあ。
しかも、その間に『ぼくたちの野田争議』がはさまっている。
気分は暗い時代にまっしぐら。
それはそれで、大事なことなんだけど、そういうんじゃないのも書いてないと、精神のバランスが崩れてしまう。

だから、今回は久々にポップな文章に戻してみようと考えた。86歳で亡くなった永遠の文学少女で、恋する乙女だった友人の杉山宮子さんを題材に。楽しくないとね。長続きしないから。

ところで、ポップな文章って、現状告発型のダークな文章より難しい。
下手にいろいろ本を読んでいるから、いろんな物書きの影響が知らず知らずに身についていて、中野翠風になっちまったり、植草甚一風になっちまったり、力を抜くと定番の椎名誠風になっちまったり、力を込めると杉浦日向子風になっちまう。
最近だと持田叙子の文体も好きだなあ。
でもあれは、おばさんの学者さんだからこそ出来る離れ業。
小沢信男や小沢昭一の文体も好きだ。
だけど、あれはお二人ともおじいさんだからこそ使える文体。お二人の独断場。
読み返すと小沢昭一さんの昔の文章なんか、案外普通だったりする。
無名の週末文筆家が、文体で悩むなんざ、しゃらくせえ。百万年早いぜって、ことかなあ。
文体って、結局人格そのものが出てしまう。
人格が向上しないと、文体もついてこないってのが、本日の結論かなあ。やれやれ。

で、今週はFacebookでポコの特集をやっているから、ティモシーの作品を貼り付けよう。

ティモシーは78年にイーグルスに入るので、77年のこの曲は良き仲間にインスパイアされながら名曲を紡ぎ出していたポコ時代最後の名曲かもね。

イーグルス以降のティモシーって、つまんない曲しか作ってないから。

2012年9月22日 (土)

昨日も15年前にミニコミ誌「わがまま生活」創刊準備号を一緒に作った赤間豊さんと、再会できた。 当時から優秀なランドスケープデザイナーだったけど、年齢を重ね、会社を代表するような立場になって、ますます才能に磨きがかかっている。

やっと秋が来た。
「エンドレス・サマー」なんて、ビーチボーイズのアルバムがあったけど、じょ、じょーだんじゃなねえよ。
ぼくの好きな季節の順番は秋、冬、春、夏。
内省的になれる寒い季節がすきだ。

暴力的だった夏の日差しが、やさしくなって、太陽の暖かさをうれしく感じる季節の到来だ。

そんなわけで、ここはひとつビーチ・ボーイズの「太陽の暖かさ」を、珍しいブライアン・ウィルソンとエリック・クラプトンの共演で楽しみたい。

全盛期のビーチボーイズの隙のないコーラスに比べて、セルフカバーしたブライアンのソロ作品は、どれもゆるくて、残念な気持ちになることもあるけれど、別物として楽しんでいる。


まさかと思ったけど、エリック・クラプトンが意外にも、いい味出してる。
それにしても、Facebookを始めてから、あたらしく沢山の素敵な人と知り合ったり、昔の交友関係が復活したり。
時代が進んで、いやなことばかりに目が行ってしまうけど、いいこともあるなあって実感する。
昨日も15年前にミニコミ誌「わがまま生活」創刊準備号を一緒に作った赤間豊さんと、再会できた。
当時から優秀なランドスケープデザイナーだったけど、年齢を重ね、会社を代表するような立場になって、ますます才能に磨きがかかっている。

Landscape Planning & Design Inc.,

ぼくの地元、新松戸の関さんの森で活動している千葉大の人たちなんかもよく知っているみたいで、これから共通の友人がまた増えそう。
ぼくらのイメージの「造園デザイン」という枠を越えて、暮らしの設計といったレベルにまで、考えて仕事をしていることを知り、うれしくなった。
「15年ぶりに会ったのに、話が噛み合うのが不思議だね」
「だって、一度共感して、一緒に雑誌を作ったんでしょ。当然ですよ」
「ってことは、お互いおれたち15年前からぶれてないってことだよね」
なんて、素敵な会話が弾んで、一緒に根岸の路地裏を散歩する時間は至福のひとときであった。
こうして仲間が集い、新しいことが始まる秋。
期待感でワクワクしてきたなあ。

2012年9月15日 (土)

工場でモノが作られるようにアイドルが生産され、おじさんには名前も顔も覚えられないドングリの背比べのような女の子たちが、「選挙」とやらで、数値化され序列を決められる。 「もう、そんなレベルのアイドルなんざいらねえやッ」

昼間はまだまだ暑い毎日だけど、朝晩は心地よい秋風が吹き始めている。
「17才」でデビューして、「夏」「海」「渚」なんてイメージで、立て続けにヒットを連発していた南沙織がちょっと立ち止まって、ちょうど今のような季節のイメージを歌った曲が「哀愁のページ」

発表されたのは、ぼくが生意気盛りの中学三年の頃だった。

英語が堪能なシンシアだから、イントロの英語の台詞がかっこよくて、そこだけみんなでまねをした。

歌は簡単に口ずさめるような歌じゃないし。

男子ばかりの中学校で、このレコードが発売された頃、クラスの半分以上は南沙織のファンだったんじゃないかなあ。
クラスメートと一緒に電車に乗って、わざわざ有楽町か日比谷あたりにあったお店に行って、南沙織のブロマイドを買ったおぼろげな記憶がよみがえる。
YouTubeで当時の映像を見直すと「元祖アイドル」にして「史上最高のアイドル」だなって痛感する。
間違っても、自分の周りになどいないタイプ。
なんとも言えず心ひかれる天性の美声と、エキゾチックで愛らしい容姿に加えて、利発そうによくうごく瞳に知性まで漂わせていた。

後にも先にも出てこない、空前絶後の存在だったなあ。
「妖精」という言葉でしか、彼女を形容できない。
そして、南沙織の頃までは、芸能人ってのが、遠い存在だった。

南沙織のデビューからほどなく、「スター誕生」という番組が始まって、山口百恵や桜田淳子のような、もしかすると近所で見つかりそうな女の子たちが、アイドルになってゆく。

そして、そのプロセスを、ぼくたち視聴者はテレビで見て、スターの育成に参加した気分になれる。

こうして、おニャン子クラブやAKBといったアイドルグループが出てくる土壌が、ゆっくりと形成されてゆく。

工場でモノが作られるようにアイドルが生産され、おじさんには名前も顔も覚えられないドングリの背比べのような女の子たちが、「選挙」とやらで、数値化され序列を決められる。

「もう、そんなレベルのアイドルなんざいらねえやッ」

いま阿久悠の『夢を食った男たち』を読んで、そんなことを思った。

松丸本舗は単体としての売り上げが、どうのこうのという店じゃないはずだ。この店は、決して大げさじゃなく、日本書店史上最強のお店だと思う。図書館で分ける分類に従って、ジャンル別に並んだ棚では、絶対に味わうことのできないスリリングな展開の配列に酔いしれた。

松岡正剛がプロデュースした丸善本店内の店舗内店舗である松丸本舗が9月末で閉店してしまうというので、水曜日に急いで行ってきた。
ネット版「千夜千冊」の愛読者で、ツイッターにも加入しているくらい松岡正剛の仕事には注目していたのに、場所が都内だし、いつでもいけるし、なんてのんきに構えていたら、たった3年で閉店だというのだ。
松丸本舗単体での売り上げで苦戦したというが、ここで知識を仕入れて、こんどはジャンル別の棚で本を選ぶというのは、買い手としては、自然な流れだろう。

ジュンク堂と資本提携して、丸善の古き良き文化の薫りは消えてしまうのかなあ。

ここでも成果主義が跋扈して、四半期ごとの損益が云々とか。

資産の時価評価がどうとかこうとか。

高級なスーツに身を包んだ投資顧問会社のお偉いさんが、しゃしゃり出てきて、企業の現在価値がどうのって、利いた風な口をたたく。

「てめえらが、第二のホンダやソニーを作ってから、偉そうな口をたたけよ」

なんてことは、口が裂けても言えないんだろうなあ。
なんてったって株主様だから。

松丸本舗は単体としての売り上げが、どうのこうのという店じゃないはずだ。
この店は、決して大げさじゃなく、日本書店史上最強のお店だと思う。
図書館で分ける分類に従って、ジャンル別に並んだ棚では、絶対に味わうことのできない
スリリングな展開の配列に酔いしれた。

本棚とにらめっこしているだけで、勉強になる書店は初めてだし、悲しいかな、この店が消えたら、自分が生きている間には出会うことがないような気がする。
けれど、ちょっと残念なことに、この店にいると、すごく疲れることもわかった。
お店にいるあいだ中、脳みそがフル回転して、あっという間に、ぼくの少ない脳みそのキャパを越えてしまう。

その結果、疲れ切ってしまい、滞在時間は一時間半が限界だった。

ましてや、大学時代にちゃんと勉強して、文学だの社会科学だの歴史だのって、ジャンル別に知識の体系が出来上がっているオールドタイプの知識人のおじさんたちには、理解不能な配列。人によっては怒りだすかもしれない。

松丸本舗にある、スーパースター揃いの本の森の中から、結局ぼくが買えたのは『子どもをめぐるデザインと近代』一冊。

普段見慣れた本棚の前に立って、どうでもいいような本の雑木林の中から、キラリと光る本を見つけて、拾い上げる快感もまた、サイコーなのだ。

そんなことを書いていると、安っぽい雑貨の中に、本が並んでいるお台場の「ヴィレッジヴァンガード」で、楽しい時間を過ごして、あっという間に時間が過ぎたことを思い出す。

松丸本舗はサイコー、だけど、商売としては「ヴィレッジヴァンガード」なのかなあ。

そんなことをあれこれ想像する、楽しい時間を提唱してくれる松丸本舗に残された時間はあとわずか。

まだ行ったことのない方は、ぜひ。


2012年9月 9日 (日)

子どもの本を作り、子どもが遊べる空間を作る。鬼に笑われそうだが、来年が楽しみになってきた。

よく「一年の計は元旦にあり」なんて言うので、今年の1月1日のブログを見直してみた。

人に言われたことをやりつづけて一生をすごす人はいくらでもいます。

というのが、今年最初のエントリだけど、みんなで自分史の地図を作ろうっている話や、フェイスブックのようなSNSで、「以前ならつながるチャンスのない人と、つながる可能性が出てきた」って、まさにこの8ヶ月に起きたことそのものだと思う。

そして、この1月頃に一番関心をもっていたのが、子どもたちの問題。

元旦から7日まで子どもの話が満載だった。

荒木経惟の『さっちん』、中川利枝子の『おひさまはらっぱ』、20世紀を代表するスウェーデンの児童文学者リンドグレーンの子ども時代、養老孟司・宮崎駿の『虫眼とアニ眼』や西表島の話題まで、子どものことで頭がいっぱい。

初めての単著が出たり、朝日新聞に出たりして、ドタバタした時間を過ごしてきたから、正月に考えたことを、忘れかけていた。

ちょっと大げさだけど、今年の自分のテーマは、「子どもの世界の復権」だってことに、改めて思い至ったという、お粗末な話なのである。

家族と会社以外のあらゆる環境を、何もかも全部リセットしたいのだ。

なんていうことも、ほざいていた。

誕生日が来て、実際に隠居宣言して、人様から後ろ指指されようと、不義理の限りを尽くそうと、いろんなお付き合いをリセットした。

だから後半は路地裏文化研究会も含めて、「子どもの世界の復権」に邁進しようと考えている。

子どもの本を作り、子どもが遊べる空間を作る。鬼に笑われそうだが、来年が楽しみになってきた。

夜も更けて、シャワーを浴びていたら、何故か頭の中でザ・バンドの「ベッシー・スミス」が始まった。

『ザ・ベースメント・テープス』で、一番好きな曲。

何度聴いても聴き飽きないオイラのクラシック。

2012年9月 8日 (土)

見どころ、聞きどころはたくさんあったけど、なんと言っても玉川奈々福さんの表現力には圧倒される。そして、落語と違って、浪曲は曲師という三味線の弾き手が重要で、本日の沢村豊子さん。この方の表情豊かな三味線の音色に、ゾクゾクして聞き惚れた。

「浪曲タイフーン」かあ。
ピンクレディーの「ピンクタイフーン」は大好きだったけど、おじいさんが青筋たててがなるイメージの浪曲だよ。
いくら妙齢の女性二人が演じるったって、生涯ミーハー宣言のこのオレに、理解できるんだろうか。
そんな心配をよそに、出演する玉川奈々福さんのパワーに押され、小島豊美さんの影響もあって、おずおずと亀戸のカメリアホールに出かけてしまった土曜日の午後。
いい一日になったなあ。
近年は北砂商店街と亀戸のあいだをウロウロしているので、総武線沿線でも結構なじみのある亀戸が会場ってのもよかった。
日帰りの地方出張を含め、昨日まで激しく働いた一週間で、身も心もクタクタだった。
珍しく9時間も眠り続け、おめめぱっちり。
ベストの体調で、初めての浪曲と向き合って、小島さんという最高のナビゲーターが横に居るという贅沢な布陣。
これで、文句なんて言っては男が廃る。
(別に文句なんかないが。)

春野恵子さんの美しい声にうっとりし、玉川カルテットの懐かしい芸に爆笑する。
見どころ、聞きどころはたくさんあったけど、なんと言っても玉川奈々福さんの表現力には圧倒される。そして、落語と違って、浪曲は曲師という三味線の弾き手が重要で、本日の沢村豊子さん。この方の表情豊かな三味線の音色に、ゾクゾクして聞き惚れた。
「浪曲タイフーン」からの帰り道、日本人に生まれてよかった。
そんなことを思いながら、いつものようにソバ味噌を買って、東武亀戸線に乗った。
「東あづま」、「小村井」、「曳舟」
決して浅草や上野のようにメジャーではない東京の小さな下町を通る。
「浪曲タイフーン」の気分を消さないように、気をつけて、車窓から外を眺める。
小津安二郎監督の映画「東京物語」で、尾道から出てきた老母平山とみを演じる東山千栄子が孫と散歩した荒川堤防が見えた。
何でもない土曜の午後のひとときが奈々福さんと小島さんのお陰で、素敵な昭和散策になった。

昭和散策といえば、今週は阿久悠の本を読みふけった。

阿久悠会心の作品なのに売れなかったといういしだあゆみ「渚にて」を貼りたい。

多分、リリースする時代が早すぎたのだろう。

あの日本列島改造の狂騒の時代には地味すぎた楽曲だった。

ラストの「そうだった」というフレーズに、心が震えた。

2012年9月 2日 (日)

誰も書かないために、埋もれてしまった『ぼくたちの』物語を、みんなの共有財産にするために、文筆活動をやってゆく。それが自分に与えられた使命なのかなあって、暑さのせいで、普段以上にぼんくらになった頭で、ぼんやり考えている。

長い間、週末やアフターファイブの時間を利用して、山小屋を作ったり、本を書いたりしている。

すると、周囲の人は、ぼくのことを、モノにこだわったり、いろいろ趣味が豊富な人間だと思うようだ。

ところが、持ちモノや、着るモノや、食べモノに、いっとき興味を持っても、それが持続しない。

ぼくの興味はどんどん拡大深化して、やがてモノよりも、それを作り出すヒトの方に向かってしまう。

だから、モノのコレクターとか趣味人になれず、何をやってもいつまでも、自分のことをシロウトさんだと思っている。
普通の人よりたくさんもっているのが、書籍類だが、これさえもコレクターとはいえず、渋い古書ではなく、ブックオフで売っているような新古本を買っては、ガンガン鉛筆で書き込んだりして汚してしまい、愛書家で古書コレクターの友人小田健人に、いつも怒られている。
あとは子どもの頃から好きな音楽だって、楽理のガの字もわからないので、音楽評論家の世界に進むことを諦めたくらいで、CDコレクションもでたらめ。
昨日お邪魔した「ひらけ!ポンキッキ」のスポットを作った長谷川さんの棚を見たら、荘厳な感じで2万枚のCDが列をなす棚の前で土下座したくなった。
郷土史の本を書いたから、歴史に詳しいだろうなんて、高校の歴史の先生にまで言われてしまったけど、それも怪しい。
通勤電車で司馬遼太郎の小説を熱心に読んでいるような、そこらへんの歴史好きの会社員のおじさんのほうが、きっとぼくよりも詳しいと思う。

数日前に、ふと、自分が書いた『ぼくたちの野田争議』という本について、思い返してみた。

このタイトルは『ぼくたちの』と『野田争議』に分割することが出来る。

本を書くことを勧めてくれた人たちも、出版社もきっと郷土史上の大きな事件である『野田争議』の部分に期待していたと思う。

だけど、ぼくにとっては『ぼくたちの』の部分が、一番大切な解明すべき課題だった。

みんなで共有すべき「忘れられた日本人」の苦悩や努力や喜びといった人間ドラマが見えてきた時に、霞が晴れるように、登るべき山の頂上が見えた。

自分は文筆家として『野田争議』のような歴史をこれから書いてゆくべきなのだろうか。

どうも、そうじゃないような気がする。

誰も書かないために、埋もれてしまった『ぼくたちの』物語を、みんなの共有財産にするために、文筆活動をやってゆく。

それが自分に与えられた使命なのかなあって、暑さのせいで、普段以上にぼんくらになった頭で、ぼんやり考えている。

最後に、昨日のエントリで書いた『現代の職人』のような、ザ・バンドのメンバーがリラックスした表情で、ウッドストック・スタジオで演奏する動画が見つかった。

ファンにはたまらないなあ。ディランと作った「ベースメント・テープス」もこんな感じだったのかしらって、想像が膨らんでしまう。

2012年9月 1日 (土)

日本中に友人をこさえて、郷土食を携えて遊びにきてもらおう。そして、何でもいいからお国言葉で、お国自慢を話してもらおう。そんな空間に、錦水さんや成る駒さんの「一粒のちから」のような素敵な音楽が流れてきたら、きっと至福の時になるだろうなあ。

FB友達の佐藤錦水さん、美鵬成る駒さんが参加している「一粒のちから」という音楽プロジェクトで、各地の民謡を聴いていると、1994年から2000年頃まで、沖縄の島唄にぞっこんだった時期を思い出す。
沖縄に行きたいのに、仕事や家庭の事情で行けないから、当時は一般的じゃなかったゴーヤを探して、家でゴーヤチャンプルーを作って、泡盛を飲んで、大工哲弘やネーネーズを聴いて過ごした日々があった。
車で家の近所を走っていると、長く続く金網のフェンスを見るだけで、嘉手納基地を思い出して、頭の中で三線が鳴り響くこともあった。
やがて、そんな「沖縄病」状態も、徐々に沈静化して、ふるさと江戸東京に目覚めてゆく。

そうして都内や東京近郊の町を散歩することが、半ば趣味になっている。
だけど、ときたま那覇や福岡や大阪や金沢や仙台や函館や札幌や網走といった好きな町に飛んで行きたくなることがある。
そんなときは、地元の郷土食を携えた友人に、家にきてもらうことにしている。
西表島出身の友人と、札幌出身の友人には毎年、遊びに来てもらっているので、西表にしかいないイノシシの燻製なんていう珍味や八重泉という泡盛が楽しめるし、ジンギスカンのたれも、北海道産の美味しいたれがあることを知った。
最近亀有のイトーヨーカ堂で、そのたれを発見して買って帰ったことがある。

最近、日本旅のペンクラブという、文筆家の団体に入ったので、これからいろいろな地域のルポを書くことも増えてくるかもしれないが、「文章の力」などたかが知れていて、体で感じる「食べ物の力」、「音楽の力」は偉大だ。

北から南まで、あるいは千島から南西諸島まで東から西まで、日本の国土は狭いけれど、領海を含めると案外広い。

多種多様な文化がつづれおりのように、日本という国の文化を織りなしていることが、日本の魅力なんだと思う。

沖縄や北海道だけでなく、日本中に友人をこさえて、郷土食を携えて遊びにきてもらおう。そして、何でもいいからお国言葉で、お国自慢を話してもらおう。そんな空間に、錦水さんや成る駒さんの「一粒のちから」のような素敵な音楽が流れてきたら、きっと至福の時になるだろうなあ。

自分の名前を売り込むことが上手だったり、お金儲けが上手な人間が、才人としてもてはやされる世の中だからこそ、石山修武がやったように、忘れられた「現代の職人」を見つけて、世に紹介する仕事が貴重になってくる。

隠居宣言して不義理を極める覚悟をしてから、徐々に暇になってきて、体力も回復してきた。
このところホームセンターづいて、今日も三郷のスーパービバホームへ。
本棚のオイルフィニッシュ用純正荏油(多分国産)と、美濃和紙の耳付き名刺台紙(もちろん国産)を購入。
ホームセンターは良いのだが、安価で粗悪な中国製の商品のオンパレードという状況が悲しい。
個人的には食料品でも何でもなるべく日本製品を買うようにしているのだが、そんな個人の儚い努力をあざ笑うかのように、日本という国家はアメリカの押しつけTPPとやらに、組み込まれて、日本国内の丁寧なもの作りは、早晩壊滅してしまうのではないかという危機感がある。
昨日は、「ひらけ!ポンキッキ」の、あの印象的な短い音楽(スポット)を作っておられた、長谷川龍さんと、お話しすることが出来た。
制作時の秘話を聞きたいと思って、事務所にお邪魔したのだが、「ひとに伝えられるものじゃないから」という。
ここにも「現代の職人」がいた。
そう思った。

石山修武『現代の職人』は1991年1月に晶文社から発行された。

ついこの前出た本のような感じがするのだが、二昔も前になってしまった。

「あとがき」にこんなことが書いてある。

職人は現代に居る筈もなく、現代は職人を生き延びさせる程にゆっくりとしていない。職人と呼びたい程の異質な能力を現代は嫌う。時代は同質な似た人間の群れを求めているからだ。

それでも、勿論世界はまだまだ広い。おしなべて同じ様な人間にしてゆこうという波にもまれながら、小さなヒダや、影に隠されて生き残っている異質な人間たちがまだ居る。時代の真只中にだって居る。そんな人間たちに会ってみたい。それで少しは元気になりたいものだ。これが本音だ。

これが、昭和から平成に変わったばかり、バブルの熱気さめやらぬ1991年1月にかかれた「あとがき」である。

この時から、21年の歳月が流れて、インターネットのような画期的な技術が普及して、ますます同質な人間の群れに支配される世の中になってしまったように思える。

「現代の職人」を連載していた雑誌「室内」も、山本夏彦が亡くなってほどなく、休刊してしまった。

自分の名前を売り込むことが上手だったり、お金儲けが上手な人間が、才人としてもてはやされる世の中だからこそ、石山修武がやったように、忘れられた「現代の職人」を見つけて、世に紹介する仕事が貴重になってくる。

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