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2012年8月 5日 (日)

最近、丸善の経営母体が変わったというが、資本の論理によって、もう二度と取り戻すことの出来ない、目に見えない文化的雰囲気とでもいうようなものが、ひとつ、日本から消えたような痛切な思いがある。

苦しみ抜いた末に、「詩」を一篇だけ書いて、すこしホッとして、原発も政局も、昨今の国際情勢も、全然関係ない山口昌男『内田魯庵山脈』なんていう本を、のんびり再読している。
読みかけの素敵な本がいっぱいたまってるのだけれど、最初にこの本を読んでみたくなった。
内田魯庵はいろんな肩書きを持つ人だが、ぼくにとっては、丸善の図書顧問として、活躍したイメージが強い。
丸善と組んで、松丸本舗という書店空間を作った松岡正剛の先達のような感じだ。

最近、松丸本舗9月で閉店 という記事を見かけた。
この前、小島豊美さんのお宅にお邪魔した時も、丸善の話になった。
小島さんが制作した傑作ソフト『ご存じ古今東西噺家紳士録』も丸善から発売されている。
僕の好きな小説梶井基次郎の『檸檬』も、知的権威のある丸善が舞台だから、成立する小説だ。
ジュンク堂や八重洲ブックセンターにレモンを置いてきても、ちっとも面白くない。
丸善という会社はこうして100年以上、舶来品の取り扱いや、出版で日本の文化をリードしてきた。
最近、丸善の経営母体が変わったというが、資本の論理によって、もう二度と取り戻すことの出来ない、目に見えない文化的雰囲気とでもいうようなものが、ひとつ、日本から消えたような痛切な思いがある。
『内田魯庵山脈』を読むと、ささやかだけど、そんな大切なことを思い出させてくれる。

この表紙も美しい晶文社版は品切れ状態で、再版の可能性は薄いが、岩波現代文庫から2分冊で、求めやすい価格になって出ている。
再読して、個人的にドキリとした箇所を一カ所だけ紹介しておこう。

こういうデカダンな江戸の通人の血というのが、京童、江戸っ子、旧幕臣に、そして地域としては根岸、浅草、向島、神田といった界隈で表面化しやすかったといえる。

それと、「團團珍聞」(まるまるちんぶん)とか「我楽多珍報」(がらくたちんぽう)」て雑誌のタイトルが明治っぽくて、好きだなあ。
声に出して、発音していると、不思議と笑みがこぼれてしまう。

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