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« カオナシのようなお金(資本)は、アノニマスな、取り替え可能な部品のようなサラリーマンではなく、ゼニー婆のような心も顔も名前もある存在、例えばノーベル平和賞をもらったインドの銀行家のような人物のもとで、心ある起業家のもとに貸し出され、初めて社会の中で機能する。 | トップページ | 日向子さんのあっけらかんとした青空の下の江戸の町ではなく、雨や雪の中、傘を差した女性が歩くようなイメージの小村雪岱の絵は、日向子ワールドとは異質だけど、僕の中の下谷根岸のイメージにはぴったりと当てはまるのだ。 »

2012年7月 8日 (日)

時雨ふる夕、古下駄のゆるみし鼻緒切れはせぬかと気遣ひながら崖道づたひ谷町の横町に行き葱醤油など買うて帰る折など、何とも言へぬ思のすることあり。哀愁の美感に酔ふことあり。かくのごとき心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり。

のっけから引用で申し訳ないが、無性にこの文章を入力したくなった。

時雨ふる夕、古下駄のゆるみし鼻緒切れはせぬかと気遣ひながら崖道づたひ谷町の横町に行き葱醤油など買うて帰る折など、何とも言へぬ思のすることあり。哀愁の美感に酔ふことあり。かくのごとき心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり。

フェイスブックで大輪茂男さんの「自分の身の周り、2メートルにあるもの。そして小雨の景色。」という文章を読んで、思い出した。

『断腸亭日乗』昭和16年1月1日の名文。
日常の暮らしの中で、空想力がはたらいて、どんどんイマジネーションが広がる荷風の面目躍如。

この文章の直前に「昨年の秋頃より軍人政府の専横一層甚しく世の中遂に一変せし」とある。

いいなあ。

そんな世の中だからこそ、時流に合わせて、戦争を賛美するような文章をとうとう一行も書かなかった荷風の決意表明がここにある。

「心の自由空想の自由」を守るためには、けちんぼと揶揄されるほどがっちりした金銭哲学もまた必然で。

梅雨空の日曜日、岩波文庫版抄録『断腸亭日乗』を片手に、すごすなんていうのも、おつなもんですぜ。

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