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2012年2月10日 (金)

あんまり天気がいいので「日和下駄」気分で根岸を歩いた。(後編)

昔縁日をやっていた柳通りを越えて100メートルくらいで、懐かしき故郷にたどり着く。

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50年前にお袋が洗濯した井戸がある。当時は文字通りこの井戸の周りで井戸端会議が開かれ、若い主婦たちの笑い声が聞こえた場所だった。
傍らの銀杏の木から落ちるギンナンが臭くて、子供にはうれしくなかったけど、ギンナンの匂いもまたいい思い出だ。
とにかく、あの頃はいつも誰かがこの井戸の周りで、わいわいやっていた。
左手にある柵もなかったと思う。
名残惜しいけど、家はないし、隣は小学校。
うろうろしていると不審者だと思われるので、東日暮里を通って、家路につくことにした。
ところが、お行の松を越えて、少し歩くと変なもの発見。

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正面の家もかなりいけてるけど、左手の大谷石に注目。
なんで、わざわざ土盛りをして家を建ててるんだろう。
さらに歩くと面白い場所を発見。

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これで、ピンときた。
音無川である。
荒川区と台東区の境には昔、音無川という美しい名前の川が流れていた。
その川は石神井用水という農業用水だった。

昭和9年に暗渠になって、今は下水道として使われているらしいが、いまでもまだ川だった当時の痕跡が残っているんだ。

これは知らなかった。
面白くなってきたので、帰るのをやめて、荷風のように川筋散歩をすることにした。
田んぼの間を縫うように開かれた農業用水だから、恐ろしくクランクが多い。
iPoneのGPS機能を駆使して、道を間違えないように歩いていたら、大学いもで有名な「ねぎし丸昇」に到着した。
ちょっと疲れたし、小腹が減ったので、大学いもを食べることにした。

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こんなにおいしい大学いもは初めてだ。
たまたま店にいた客3人で、不思議なことに会話が始まる。
これもおいしい食べ物の持つ力だ。
浅草から来たという水商売風のおばちゃん。
30代くらいのサラリーマン。
無関係に店で出くわした三人が声をそろえて、驚嘆の声をあげる。
開店から37年たったという古い店だが、オイラが引っ越したのは50年前。
この店だって影も形もなかったことを思うと、自分の年齢に愕然とする。
それはさておき、お土産に300グラムもらって、店を後にする。
音無川の痕跡が面白いのはこの丸昇のあたりまでで、三ノ輪の駅前まで、殺伐とした風景が続いた。
国道4号の三ノ輪の交差点を越えると看板があった。

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これこそ音無川にかかる三ノ輪橋のなごり。
都電の終点駅でもある。
振り返るとその先には永井荷風の石碑や命日に行われる荷風忌で有名な浄閑寺だ。
死亡した吉原の遊女を投げ込むので、投げ込み寺と呼ばれた浄閑寺である。
荷風の真似をして歩いていたら、浄閑寺にたどり着いてしまった。
よく考えりゃ当たり前なんだけど、想定外だったので、大感激。
ぼくの根岸散歩はここでおしまい。
ここから南千住まで歩いて、首切り地蔵が消えた延命寺を横目で見ながら、南千住駅に着いた。

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南千住駅前から先に見える交差点が「あしたのジョー」で有名な涙橋交差点。
そして、かつてドヤ街といわれた山谷の町。
その先に小さくスカイツリーが見える。
もしかすると山谷の労務者たちが、スカイツリーを作っているのかもしれない。
繁栄と貧困、聖と俗、生と死、いろんなことを考えさせてくれる、この故郷の町とその界隈が、ぼくは世界中で一番好きな場所だ。
今日はなつかしきボーダーラインを歩いたので、ちょっと懐かしいこの曲で終わろう。

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