途方にくれているエリートさん達と一緒になって、世を憂いている暇なんかない。
元日の夜、坂本龍一と金子勝のJ-WAVE番組の対談が面白かったので、金子勝『「脱原発」成長論』筑摩書房を買って、読んでいたら、年末に読んだ上野千鶴子『サヨナラ学校化社会』のこんな一節を思い出した。
最近の学生を見ていてここ十年感じるのは、偏差値一流校から四流校まですべてのレベルの学生を通じての、長期的な幼児化の傾向です。この幼児化は、生活体験の狭さからきています。学校と家庭、プラス塾・予備校、それ以外の空間を知らない。それ以外の人間関係を知らない。しかもこの三つは、いまや学校的価値で一元化されています。それ以外の価値、それ以外の生き方、それ以外の生存戦略を知らないのです。
上野は最近の学生のことを書いているのだけど、学校や予備校のところを会社に置き換えると、原子力村のエリートたちにそのまま当てはまる。
オイラから見ると、偏差値エリートで、頭脳明晰なはずの彼等がどうしてあんなに愚かな行動を繰り返すのだろうと不思議だったけど、彼等って、強くもないし、賢くもないって、わかって納得。そんな人々が何人集まっても、そこからクリエイティブなイノベーションなど出てくるはずもなく。
そういえば昔、読んだシュムペーターだか、ドラッカーだかの本にもそんなことが書いてあった。
確か、鉄道を敷設したのは馬車の業者ではなく、全く系譜の違う人たちの中から出てきたとかって、話だったと記憶する。
支配的な価値観が次々と崩れてゆく、変化の激しいこんな時代は、オイラのような不良老人にとって、最高に面白い時代。
目先のテストの答案に答えることだけやってきた、変化する世の中について行けないで途方にくれている、エリートさん達と一緒になって、世を憂いている暇なんかない。
今年も忙しいぞ。きっと。
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