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2011年8月20日 (土)

豊かなローカル・マーケット・エリアを取り戻すために

原発マネーという言葉がある。

原発を受け入れたことによる自治体への交付金のことで、その金額が減ってしまうと自治体がたちゆかなくなるというのだ。

ブログで書いたかどうか忘れたけど、原発が怖いのは地域自立の経済システムを、原発依存型に変えてしまうことだという。

そんな町では、原発に反対する人間など、邪魔者でしかないだろう。

ソ連や北朝鮮をバカにしていた新自由主義の平成ジャパンの国民だったつもりなのに、いつの間にか、ソフトな全体主義国家が形成されていた。

「路地裏の経済」という言葉が好きだ。

田中優子の『未来のための江戸学』にかいてあったろうと思って探したが、見つからない。

猛威をふるう巨大資本とは無縁の、地域自立の経済活動で、細々とではあっても、地元に根づいているから、簡単に撤退したり、消滅しない。

ぼくの身近な存在では、町民がこぞって出資し、出来たので「町民鉄道」と呼ばれた流山線などが典型だと思う。

崙書房出版も、京北スーパーもそういう存在かもしれない。

経済史の分野では「ローカル・マーケット・エリア(大塚久雄は局地的市場圏と訳した)」なんていう言葉で表現している。

資本主義が発達した国はどこでも、しっかりとしたローカル・マーケット・エリアがあって、農村工業が発達し、地域自立の経済が重厚な社会基盤を形成していた。

たとえばウィリアム・モリスも憧れた産業革命が起きる前のイギリス社会。

ぼくが真面目に世の中を憂いて運動する社会主義の人たちに敬意は感じつつも、社会主義に共感できないのは、そんな資本主義社会が理想としてあるからだと思う。

貿易や金融のみに依存した国では貧富の差が拡大するだけで、中産階級が形成されない。だから国内市場も拡大しないし、資本主義の基盤ができない。

だからマックス・ヴェーバーは本来の資本主義と区別して、賤民資本主義なんて呼んだ。

ホリエモンや村上某なんていう連中が典型だろう。

貨幣の獲得に魂を奪われたあわれな連中。マルクスは「貨幣の物神性」なんて言った。

こんなことは大塚史学の評価とは関係なく、経済史をちょっとだけかじった人間なら誰でも知っている常識だとおもうが、東京大学で経済学を勉強したような方々が率いる戦後(もしかすると1940年体制から)の日本はローカル・マーケット・エリアを壊して、いわゆる国民的産業を作り、輸出することばかり、血まなこになってやってきた。

賤民資本主義社会の完成である。

そして日本はひ弱な資本主義社会になった。

いま、震災後の復興事業について、いろいろとやっている。

いかにも利権がからんでいそうな、きな臭い「大連立」なんて言葉も新聞の紙面を賑わす。

ぼくが江戸期に憧れるのは、高度に「路地裏の経済」が発達し、豊かなローカル・マーケット・エリアが形成された時代だったから。

東北はこんどこそ、××マネーなんぞに依存しない、地域自立の21世紀の日本社会のモデルになってほしい。

そのためのマニュアルはいくらでもある。

中でも『未来のための江戸学』はいい本だと思う。ぜひご一読をお勧めしたい。

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コメント

原発マネーそのこと自身は、もしかしたらそれほど悪いことではなかったのかもしれないけれど、人の思考回路まで麻痺させてしまうことに問題があったのではないかと思う。
これからも、なにか国家で取り組むビックプロジェクトがあると思いますが、
そのときは原発のように安全ですとうそは言わず。しっかり議論しながら進めてほしいものですね。江戸に学ぶことは、たくさんあるかも知れません。

戦前の藩閥政府の教育で勤勉にさせられた日本人は国家的プロジェクトというと、批判することすら罪悪で、しゃにむに突き進んでしまう。
時代遅れの戦艦大和や武蔵の時代から、何も変わっちゃいないってことを、今回思い知らされました。
江戸時代の日本人は、いい意味でちゃらんぽらん。
一度、薩長がやった、いわゆる明治維新というのを、リセットするくらいの気構えが必要なんだと思います。
特に東北の人たちにとっては、いいことなしの140年間でしたね。
杉浦日向子(ちなみにルーツは山形)は「合葬」で書いてます。
「維新は事実上これあらたなることはなく末期幕府が総力を挙げて改革した近代軍備と内閣的政務機関を明治新政府がそのまま引き継いだにすぎない。革命revolutionではなく、復位restorationである」

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