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2011年4月16日 (土)

都市の空気は自由にする

岩波新書の「日本近現代史4大正デモクラシー」を読んでいたら、うす気味の悪い文章を発見した。

「関東大震災という衝撃的な事態に対しては、震災は天の諌めであるという天譴論が出された。矛先は、都市文化に向けられた。個人主義の進展やモダニズム文化の台頭、社会運動や改造の主張の展開が、都市文化の発展と重ね合わされ、好まざるものとして攻撃されて、ナショナリズムが煽り立てられる。一九二三年十一月に『国民精神作興詔書』は、こうした意識の表明であり、「国体」と「醇風美俗」を前面に押し出し、都市化による綻びをつくろい、国民統合を強化しようとした。」

関東大震災を東日本大震災に変えて、一九二三年を平成二三年に代えたら、どうだろ。
この前書いた石原某の言葉通りに、再び戦前のある時代に戻さんと世の中を誘導しているような気がしませんか。
そもそもあるのかないのか知らないけど、東京電力の労働組合が「ざけんなよ。役員連中が責任とって現場作業しろよ」と居直ったというような話もなく、いつもは怖い労働基準監督官が原発の作業について労働安全衛生法に違反していると騒いだという話も聞かない。
労使が争っている場合じゃないって空気の中で、組合は自主的に解体し、労使協調のムードの中で悪名高き産業報国会となり、戦争に突き進むというようなことは、まさかないでしょうね。

石原某や大日本帝国の為政者たちも知っていたように、「都市の空気は自由にする」のだ。

ナチスに追われて、イギリスに亡命したドゴールがロンドンからラジオで、自由フランスとしてレジスタンスを呼びかけたのも、パリを開放したいからだった。だから僕は凱旋門を見ると感激する。
映画「パリの恋人」で、さえない本屋の店員だったヘップバーン演じる主人公が、まるで蝶が羽化するように、美しく変身するのもパリのもつ魔力だった。

作品としての評価はイマイチかもしれないけど、僕はこの映画が自分のベストワンかもしれない。次々と僕の好きなものばかり出てくる。

ナチスから逃れて、アンネ・フランクのような少女時代を過ごしたというヘップバーン自身の境遇を重ねあわせて考えると、戦後10年足らずの時代にパリのカフェで、はじけるように踊り、実存主義哲学を語る主人公は喜びに満ち溢れていた。ヘップバーンの他の映画にはない、真実の輝きを感じる。

杉浦日向子が愛した一八世紀の江戸文化も、海野弘が描いた二十年代の東京や、自分が実際にうろうろ歩いた七十年代前半の東京の文化も、パリと同じように輝いている。
だから僕は都市が好き。都市でないと生きられない。
ソーシャル・ネットワークでつながるのもいいけど、実際の空間はもっと大事。
石原某のような権力が都市文化を壊しにくるのなら、僕は自分なりのやり方で戦うつもりである。
いまここに、バブル景気に浮かれる25年前に原発や代替エネルギーについて勉強したのに、四半世紀も指をくわえて見ていた自分自身に猛烈に腹を立てている僕がいる。
もう二度と後悔したくない。

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コメント

>ナチスに追われて、イギリスに亡命したドゴールがロンドンからラジオで、自由フランスとしてレジスタンスを呼びかけたのも、パリを開放したいからだった。だから僕は凱旋門を見ると感激する。
同時に、ドゴールはフランスによるベトナム植民地化を肯定していたわけですがね。人間なんてみんな勝手なもんですよ。占領されれば自由と開放を叫び、一方で我欲のために他国を占領しようとする。

拙ブログを拝読いただき、心から感謝いたします。
ただ二点ほど貴殿にお願いがあります。
コメントを寄せていただくときは、ハンドルネームで結構ですので、署名をお願いします。今回はうっかり入れ忘れたのだと思いますが、今後は署名のないコメントについては、削除いたす方針ですので、ご注意願います。
次に、聡明なる貴殿であれば、本文を読んでいただけばわかるとおり、このエントリは「都市と自由」について書いたものであり、ドゴールという男の行動や、人間のサガについて論じたわけではありません。
そこで、上記のような論点をすり替えたようなコメントをいただいても、こちらには対応する義務がないと判断します。したがって貴殿のコメントに対しては、ノーコメントとさせていただきます。
ブログの作り方として、炎上を恐れてコメントを受け付けない方法もありますが、健全な対話は自由社会を形成するための基本だと思いますので、あえて受け付けるようにしております。
ご理解とご協力をお願いします。

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