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2010年10月24日 (日)

寺島実郎『世界を知る力』を読んで

地域史を勉強する時に、ある時代に横串を差すようなことは、よくやっていて、江戸でこんな事件が起きたとき、国内や海外ではどんな事件があったのだろうか、なんて、調べてみるのが好きだ。

ところが、先日K君の所で勉強した日露の関係史というのは盲点だった。

中央では知られなくとも、地域に根ざした立派な仕事をした「忘れられた日本人」を発掘するのが面白いのだけど、ある意味では日露関係という社会現象も忘れられた存在だということがわかった。

アメリカが建国する70年前、1705年に首都サンクトペテルブルクに官営の日本語学校を作ったこの隣国との関係は、意外にも多彩な歴史がある。

そこで、この機会にじっくり読みたいと思い、本屋で寺島実郎さんの『世界を知る力』PHP新書をみつけたので、さっそく買って読んだ。

のっけから「ロシアという視界」という章が出てくる。

親米保守派だが、リベラルな立ち位置にいる寺島さんならではの、説得力のある脱アメリカ論が展開されている。

この章だけでも買う価値のある本だ。

アマゾンを見ていたら、「中身が薄い」なんて、もっともらしいレビューが出ていたが、そんな奴はどこまでこの本の内容を理解して、書いてんだろうね。

例えば仙台藩の蘭学医大槻玄沢がレザノフに連れられて戻ってきた漂流民を事情聴取するくだりは、興味深い。

なぜなら大槻玄沢の三男が大槻磐渓で、仙台藩にあってロシア正教会と連絡をとり、ニコライ司祭の来日に尽力した人物なのだ。

さらにその磐渓の次男が大槻如電である。

10月20日のエントリーにも書いたように、一世の碩学として世評の高い人物だったが、明治の新政府に仕えず、僕の出身地である台東区根岸に隠棲して、在野の研究者として、昭和6年まで生きた。

そんな大槻一族のことを思うと、興味津々の内容で、「中身が薄い」なんて、おっしゃる君はそんなにご立派な大先生なのかい、なんて毒づきたくなる。

誰でも書けるような本ではない。

学術書ではないので、エッセイ風に軽く書いている部分もあるから、惑わされるけど、寺島さんご自身が「一世の碩学」だからこそ、こういう「中身の濃い」本を書けるんだろうね。

ほかにも書きたいことはいろいろあるけど、長くなるので、また今度にしよう。

他に今日の収穫は朝日新聞の読書欄に出ていた沼田 元氣『マトリョーシカ大図鑑』 だね。

マトリョーシカ人形のルーツが日本のこけしだったとは、全然知らなかった。

政治史が中心の日本史の勉強では日露戦争と大東亜戦争の時しか出てこないロシアという国の存在が、民衆レベルの歴史ではちょこちょこ顔を出す。

これだから、民衆史は面白いのだ。

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