風呂敷の魅力を再発見した
高田喜佐さんの著書『暮らしに生かす江戸の粋』をパラパラと見ていたら、目にとまったのが「銀座くのや」の風呂敷で、酒瓶を包むのにいい感じだ。
「銀座くのや」には知り合いがいて、何度か行ったけど、風呂敷は目につかなかったなあ、なんて思いながら、訪ねると4階にあるという。
エレベータで4階にあがると、畳敷きの和室いっぱい、膨大な数の風呂敷がならんでいる。
畳の上で風呂敷を広げてみてもらうようにしたいという、店主の考えでこういう売り場になっているということだが、何だか時代をタイムスリップした感じ。
異次元空間に迷い込んだみたいだ。
神田の家でやっていた広重の「江戸百」展覧会も畳の上に置いた錦絵をじっくり見られる工夫がよかった。
靴を脱いで畳の上で正座して、美しいものを眺めると、忘れていた感性が甦ってきて、心が喜んでいるのがわかる。
色々説明を聞いて、宝づくしの柄の木綿の風呂敷を買ったのだが、外国のお客さんはタペストリーのように壁掛けとして飾ることも多いという。
外国人が芸術品として飾るようなアートを日常的に使いこなしていた昭和の頃までの日本人はなんて、贅沢でおしゃれな人たちだったんだろうって、改めて実感した。
早速今日は本を風呂敷で包んで、町に出かけよう。
本を入れるのに、長い間重いカバンで苦労してきた。
今日から町の風景が違って見えるよ。きっと。
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