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2010年4月 4日 (日)

手より先に脳が出る人たち

誰のブログだったか忘れたが、ちょっと印象的な言葉があった。

その人は「口より先に手が出る」ではなく「手より先に脳が出る」のだという。

そこで二三日前に気がついたのが東京大学を卒業した人たちに注意しようということ。

これは自分にとって小さな大発見(ちょっと変だけど)だと思う。

もしかしたらこの世には東京大学を卒業した人と、(自分のような)そうじゃない人というという二つの人種がいるのかもしれない。

ずいぶん長い間、沢山の本を読んできた。

そのうちの少なく見積もっても1割以上は東京大学を卒業した人の著書だと思う。

日本の人口の何パーセントが東京大学を卒業した人(以下東大出と呼ぶ)なのかしらぬ。

でも自分の読んだ本に対する東大出の著者の割合は、それを著しく越えていることは間違いないだろう。つまり一般人の中ではめったに見かけない東大出が、本の世界にはごろごろしているってこと。

例えば、まえにこのブログでモリス主義者小野二郎の文章を悪文だと書いたことがある。

小野二郎は頭がよすぎて、思考能力に文章が追いついていかない。

本来あるべき文章から、必要な箇所を三つも四つもふっとばして、「手より先に脳が出る」状態のまま、疾走し続け、人生も駆け抜けて、あたふたとあの世に行ってしまったような気がする。

例えばモリスに関連する論考で唱えた「趣味の思想化」という有名な言葉がある。

小野はいくつかの論考で手を代え、品を代え、説明しているが、何度読んでもどうしても腑に落ちなかった。

最近、持田叙子(ちなみに慶応大学大学院終了)の『荷風へようこそ』と『永井荷風の生活革命』を読んだら、目から鱗が落ちるように、納得した。

江戸人たちがそうしたように、住んでいる家や庭を中心にとした自分の日常生活そのものを面白可笑しく、芸術にしてゆくこと。

荷風(ちなみに現在の東京外語大除籍による中退)がエッセイ『妾宅』で、モリスに関連してちゃんと書いてくれてるじゃん。

小野は知っていてわざと荷風を無視したのだろうか。

東大出は、簡単なことを難しく書く。

日常的な些細なこと(でもそれが大事)でも抽象化してまとめなきゃ、気が済まないのかな。

まるで東大出はそうしなきゃ沽券に関わるとでも思っているだろうか。

自分が柳宗悦(もちろん東大出、確か主席だったかも)の著作や生き方に抱いていた不満もそう思えば、納得がいく。

日本における最大かつ最高のモリス後継者として柳は名高い。

モリスについて言及した多くの本にそう書いてある。

まるで不変の真理でもあるかのように。

だから自分がモリスを理解するためにはどうしても避けて通れぬ高い山だと思っていた。

そして、それが全くの間違いだということを知った。

柳は自分も繰り返し言っているとおり、モリスなどほとんど評価していない。

荷風ファンの間で評判が悪いと言われる小門勝二(もちろん東大出ではない)の『永井荷風の生涯』という本を最近読んだが、荷風に会ってインタビューした実際の聞き書きなので、荷風の話し言葉が印象に残り、とても面白かった。

荷風評論なら東大出の磯田光一や川本三郎といった偉い人たちが大手出版社から出した本が正しいと思っていた。

僕はこれらの人の著書をこれからも愛読し続けるだろう。

けれども同時に小門勝二の著書も愛読し続ける。

もうこれからは東大出にはだまされない。

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