「まちものフォーラム」以降
以前、市ヶ谷のダムダン空間工作所で「まちものフォーラム」という集まりをやっていた。
数年前に亡くなった建築家の鈴木隆行(僕の仲間はこっそり、馬之助とか馬さんと呼んでいた。プロレスラーの上田馬之助に檄似だったから。文中では敬愛の念をこめて馬さんと呼ばせてもらう)が中心になって、毎月一回やっていた。
馬さんの人脈は質・量ともすごかったので、いま思えば、毎回豪華なゲストが現れた。
いま記憶にあるだけでも作家の森まゆみ、照明デザインの面出薫、写真家の本橋成一、軍艦島の研究者阿久井喜孝なんて人たちがいた。
周りがほとんど建築やアートの人ばかりで、僕の仲間たちだけ全く違う畑の違うメンバーだったので、馬さんは意外と歓迎してくれた。
当時はインターネットがはやり始めたばかりのころで、ITのプロを連れて行った時は、「まちものフォーラム」をどうやってネット展開しようかなんて真剣に話し合ったことも懐かしい思い出だ。
そんな馬さんとも少しずつ疎遠になり、亡くなってから数年が経った。
自分の中では不完全燃焼に終わった「まちものフォーラム」以降の展開を何か考えなきゃいけないと、正月に誓った。
都心の会場に有名な講師を招聘するのではない、住んでいる地域に根ざした地に足の着いた運動としての「まちものフォーラム」があるだろうと思う。
最近、山梨につなぐNPOという団体があることを知った。
自ら印刷機能をもって、町とミュージアムを紹介する小さな冊子を100種類以上作って、それをテキストにガイドツアーをやっている団体である。大学と連携して若い人が参加しやすい活動を行っている部分も見習いたいところだ。
もしかすると馬さんの「まちものフォーラム」の先にはこんな展開があったのかもしれない。
四谷荒木町の町おこしの先鞭をつけながら、(いろいろ事情はあったのかもしれないが)やがて忘れられた馬さんのことを思い、地元でゆっくりと、少しずつ、着実に形を作って行けたらと思う。
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