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2009年4月

2009年4月25日 (土)

テレビで軍艦島を見て

軍艦島を産業遺産として一般公開するというニュースをテレビで見た。

即座に建築家の鈴木隆行を思い出した。

九龍城の鈴木さん

鈴木さんは岩波から『ビジュアルブック水辺の生活誌・軍艦島海上産業都市に住む』という本を出した直後に著者の阿久井喜孝さんを呼んで講演会を開いたのだ。

いま思うと、感受性に秀でた鈴木さんは、きっと面白いものを探しまくって、時代を急ぎ足で駆け抜けて去っていったのだと思う。

ただ、その当時僕は鈴木さんの思いに共感を感じつつも、クリエイターならそんなものを追いかけるより、もっと面白いものを作るという気概をもってがんばってほしいというようなことを言っていた記憶がある。

あれから十数年の歳月が流れ、考えも変わった。

もう少し鈴木さんに寄り添って、一緒に何か形に出来ればよかった。

今はそんなふうに思う。

鈴木隆行のやり残したこと、その思いを東葛飾で、自分なりのやりかたで、何か形に残せれば、それが今は亡き友に対して僕に出来るわずかばかりの供養であろう。

それには、森まゆみが『東京遺産』岩波新書で書いた「ヘリテージ」という言葉がキーワードになる。

東葛飾には軍艦島ほど有名ではないが、住民が誇りにすべき「まちの記憶」である、数多くの「ヘリテージ」がある。

しかも、流山市立博物館友の会のメンバーは「ヘリテージ」探しの名人揃いだ。

そう思うと友の会に導かれたのも鈴木隆行のなせる技かと、不思議な縁に感心し、そして感謝する今日この頃である。

2009年4月18日 (土)

荷風さん没後50年を目の前にして

机の傍らのミニコンポでは、何年も前から愛聴しているリッキー・リー・ジョーンズの『ポップ・ポップ』がかかっている。

アメリカのウエストコーストのベテラン女性ロックシンガーだが、ジャズの名曲を自分の世界に引きずり込んで展開する力量に驚かされる。

そういえばこのアルバムを聴くたびに、夜が更けて仕事をしていると、交通事故で死んだ愛猫タマ姫と一緒に聴いたことを思い出す。

なぜだかあのネコは『ポップ・ポップ』がかかると、どこからともなく現れて、パソコンの傍らに何時間でもたたずんでいた。

浅田次郎の「民子」を見たときに、これは僕とタマ姫の話だと思った。

ところで、昨日、吉祥寺の啓文堂で赤松宗旦『利根川図志 』 岩波文庫と菅野昭正『永井荷風巡歴』岩波現在文庫を購入。

『利根川図志 』は山本鉱太郎先生の愛読書で、千葉県を流れる利根川を語るときには欠かせない文献である。

パラパラめくっていたら、本が買ってよ、買ってよというものだから、買わなきゃいけなくなって、購入した。

人との出会いと一緒で、本との出会いもタイミングというものがある。

何年も前から気になっていた本だが、昨日が買い時だったということ。

『利根川図志 』は、そんな感じだが、菅野昭正『永井荷風巡歴』は一目惚れで、即購入した。不勉強なため、著者の名を知らなかったが、荷風全集の月報を本にしたという。荷風全集も月報も家にあるのに、うかつにもこの本や著者のことを知らなかった。

文芸でも、音楽でも、評論のたぐいは読み過ぎるとよくないし、ピンぼけな評論も多い。

ロックの音楽評論で懲りたので、ジャズの評論はほとんど読んだことがない。スイングジャーナルという雑誌も買ったことがない。

ジャズでは寺島靖国という人が人気があるらしいが、2,3冊図書館で借りて読んだら、あんまりつまらないので、それ以後ジャズの評論は絶対に読まないようにしている。

それはさておき、『永井荷風巡歴』だが、「深川の唄」を冒頭にもってきて、「永井荷風の小説の始まりは「深川の唄」である。」と断言している。そのまっすぐな姿勢が小気味いい。

磯田光一『永井荷風』が名著とされていて読んだが、ちょっと屈折していて、素直に荷風の世界に入っていけなかった。

この時期の荷風の傑作は「すみだ川」で、その陰に隠れてどことなく好きだが、軽く読み流してしまった小品「深川の唄」を、もう一度読み返した。後年の荷風の座標軸と世の中と戦う基本戦略がすべて披瀝されている小説として、興味深く読み返した。

川本三郎編『荷風語録』岩波現在文庫も読み返すと「深川の唄」が冒頭に来ている。

『永井荷風巡歴』は少し荷風文学に親しんだ人向けだが、川本三郎編『荷風語録』は初心者向けにいい本である。

荷風さんの没後50年を目の前に、ちょっとした荷風本の出版ブームらしい。これから荷風さんの世界に入ろうという人は、この機会にいい本を手に入れてほしいな。例えばこんな本。

崙書房出版から出ていた高橋俊夫『葛飾の永井荷風』をこの機会にぜひ増刷して欲しい。これは東葛飾に住む荷風ファンの全員の必読書だと思う。

お願いします。小林社長さん。

2009年4月13日 (月)

手賀の丘公園は意外な穴場だと思う

以前、旧沼南町にある大井の晩鐘と旧手賀聖堂を取材にいったことがある。そのときに、近くにずいぶん大きな公園があるなあと思って、気になっていた手賀の丘公園に行った。

その規模は地図で見ると、あの巨大な船橋のアンデルセン公園をはるかにしのぐ。1.5倍くらいありそうだ。

沼南町(現在は柏市の一部)というマイナーな自治体が作ったので、ここいら(松戸の江戸川沿い)では無名だが、駐車場はタダだし、バーベキューは出来るし、東葛地域の公共施設の中でもかなり満足度が高い部類にはいる。

なかでも素敵なのは二つある展望台から手賀沼を一望できること。

天気のいい日には筑波山も見えるそうである。

吊り橋もなめていると、意外に揺れるので結構怖い。

おかげで娘は大よろこび。家族連れにはおすすめのスポットだ。

桜はだいぶ散ってしまったが、花がきれいだったので写真を撮りまくった。

公園のあとは、近所にある今井の桜を見に行った。

意外にも車が2~30台ほど駐車して、バーベキューグリルなんか使っている集団もいる。

はっきり言って興ざめだった。

シートを広げるのですら、だめだよ。ここは。

美しい里山風景が台無しになる。いわゆる観光地じゃないんだから。

農家の人の仕事場である農道に立ち入らせてもらうんだから。

謙虚な気持ちで風景を楽しんだら、速やかに立ち去らないといけない。

だから写真は撮ったけど、載せない。

いまいましげに花見客をかき分けて走りまくるトラクターのおじさんに心から同情した。

2009年4月11日 (土)

キープ・オン・ロッキン

この一週間で二本も松任谷由実の特集番組をみてしまった。

ファーストアルバム『ひこうき雲』が大好きで、次の『ミスリム』を明治大学生協に発売日に買いに行って、友人に先に買われてしまい、落胆して買うのをやめてから、35年たった。

気がつくと大ファンになりそこねて、数年がたち、80年代になるとユーミンの音楽はマーケティングっぽい世界に行ってしまい、計算づくでレコードやCDを売りまくる彼女に何もシンパシーを感じなくなっていた。

イヤミなおばさんというイメージすらもっていた。

そして、21世紀になり、神秘的な感じすら漂っていた作曲の才能は涸れ、高音が透明で魅力的だった独特の歌声も失われ、等身大の50代女性になって田舎の中学生との約束を果たすために卒業式に出席したいまのユーミンは、以前よりはるかに魅力的な人物に見える。

(二十年前のビデオに映った浮ついたスター気取りの彼女とはまるで別人に見えた)

「おかえりなさい」って、声をかけたくなる。

いまの若い人たちには、理解できないかもしれないけど。

ジョーン・バエズ風か、ローラ・ニーロ風か、キャロル・キング風といった具合に、海外の誰かさんに似た女性歌手しか見あたらなかった当時の日本のフォーク&ロック界(Jポップはもちろん、ニューミュージックという言葉もなかった)に突然現れたユーミンは、ロックに目覚めた同世代の仲間たちにとって異星から舞い降りてきたような不思議な存在だった。

(『ジャパニーズガール』でデビューしたての矢野顕子もそうだった)

新曲の「まずはどこへ行こう」がいい。

加藤和彦とTVでデュエットした「黄色いロールスロイス」もまるでサディスティックミカバンドみたいで、かっこよかった。

これだからロックはいくつになっても大好きなのだ。

きっと死ぬまでやめられないのだろう。

『ごくらくちんみ』を越える作品に出会いたい

年度末の忙しさに紛れて、最近本を買っていないので、無性に買いたくなり、吉祥寺の啓文堂で田中優子『春画のからくり』ちくま文庫、半藤一利『荷風さんの戦後』 ちくま文庫、雑誌「レコードコレクターズ」最新号、雑誌「サイト」などをまとめ買いした。

復刻したJJの(婦人雑誌じゃないよ)スクラップブックも買いたかったけど、全巻まとめ買したくなったとき後悔しそうで、手が出なかった。

相変わらずの偏った読書傾向である。

ホントは小説を読みたいんだけど、なかなかゾクゾクするような作品に出会えなくて、好きな作家の範囲が今ひとつ広がらない。

去年はいろいろ読んだけど、すこおしゾクゾクしたのは堀江敏幸『雪沼とその周辺』くらいだった。

あとはしいてあげれば丸山健二の『夏の流れ』と永井龍男『秋』くらいか。

杉浦日向子の遺作超短編集『ごくらくちんみ』を越える作品を読みたいのに。

明るいのに、切なくて、読み進めるうちに、今日生きていることを神に感謝してしまうような『ごくらくちんみ』は極上の作品だった。

『ごくらくちんみ』がなくても、日向子さんの残した作品群は立派なものだけど、最後に書いたのが『ごくらくちんみ』で(『四時のおやつ』はアラーキーの撮った凄艶なポートレートのみ最新)、終止符をうった。

あまりにも見事な人生の締めくくり方にため息がでる。

2009年4月 4日 (土)

荷風さん没後50年なのだ

娘と二人で近所の神明神社の桜の老木を見て、花見を楽しんだ土曜日の夜、久しぶりに小田健人から電話が入って、来週神田の古書会館に行こうという。ついでに眠庵でソバをおごらねばいけないという。

それはさておき、今年は荷風さん没後50年、生誕130年ということで、催しが目白押しだと期待していた。

ネットで検索すると出てきた。

永井荷風展 今尚散人此処ニ居リ(花柳界を中心に) 入場無料

開催期間 4月11日(土)~4月18日(土) 4月12日(日)休館

開催時間 11:00~17:00 

会場 東京古書会館 2F 情報コーナー

行きたいなあ。荷風さんは人によって評価が極端に分かれる人で、確かにいやな面を見たらきりがない。

自分だって、きっと同時代に生きていたら、この人に近寄りたいとは思わなかったような気がする。

でも、万事にほどほどの社会性をもった善人より、こんな極端な人物がいたほうが、世の中は面白い。

特に都会では。

18日は女荷風を自認する持田叙子がゲストだそうで、いっそう楽しみである。

その魅力が理解しづらい荷風さんだから、一度好きになると、一生ものである。

荷風さんの著作は心の休日。憩いの時間を与えてくれる。

川本三郎が編集した岩波の『荷風語録』を読んで土曜の夜を締めくくろう。

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