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2008年12月 6日 (土)

流山市立博物館友の会の忘年会によせて

 人間も齢五十を超えると、徐々に偏屈になってきて、世の中を席巻する大文字のスローガンを簡単には信じなくなる。

 大文字のスローガンとはノンフィクション作家の佐野眞一さんによれば「民主主義」とか「愛国心」のように、実態のない頭でこね上げたような言葉だという。

 社会主義や労働組合が衰退し始めた頃から、福祉国家という理想を捨て、「小さな政府」なんて大文字のスローガンが出てきて、それを金科玉条のものだと信じてやってきた日本人は、いま強烈なしっぺ返しをくっているように思える。

 そんな空疎なスローガンのひとつに安倍元総理が言っていた「美しい国」というのがあった。

 ボクは「美しい国」という言葉を聞いた瞬間にとても厭な感じがして、辻野弥生さんにお願いして「ずいひつ流星」に「小さな町の不思議な空間」というエッセイを書かせていただいた。

 それは子供の頃通ったムーシカ文庫の話である。 

 ムーシカ文庫は童話作家のいぬいとみこさんが練馬区の小さな町で、本を買えない地元の子供達の為に始めた私設図書館運動だ。

 普段は平凡な幼稚園の一室なのに、いぬいさんと絵本があるだけで魅惑的な空間に変身するという事実は、子供だったボクの心にどれほど強い影響を及ぼしたんだろうって、今になって思う。

 毎日のようにテレビや新聞でやかましく報道されていた「ベトナム反戦」だの、「安保反対」なんて言葉など、当時も今も自分にとっては何の価値もないが、一人の作家が私鉄沿線の小さな町ひっそりと始めた文化運動のほうが遙かに長い射程距離をもつ不思議さ。 ひるがえっていま流山という小さな町で山本鉱太郎さんを中心に始めた博物館友の会の三十年間の地域再発見の活動のことを思うと、見事にいぬいさんの私設図書館運動と繋がっているように思える。

 ディスカバー・ジャパンなんて言葉が叫ばれた一方で、町壊しが進行したこの三十年間の日本で、為政者が発信する大文字のスローガンに対抗するに、中央のメディアを駆使して大声で叫ぶのではなく、地域に住むひとりひとりの心に届く手作りの運動。

 きっとこういう運動こそが、日本中を大文字のスローガンで一色に塗り上げようとする権力に対する数少ない防波堤なのだろう。

 それじゃあ、これからぼくたちの世代がこうした運動を、どのように引き継いでいくべきなんだろうと考えると、一筋縄ではいかない現実に直面する。

 価値観は多様化し、本は売れない。社会的格差だけが広がってゆく。

 そんな状況の中で、新しい年を迎えるにあたって、これから何をするべきなのか、少しずつ答えを出すべき時がきたように思う。

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